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雑草の話

道端にふと視線を落とす。
大量の雑草が生い茂る駐車場の隅。
確かあれはポピーという植物だ。
少し前にはオレンジ色の花弁をつけていた。
しかし花弁は全て落ち跡形もない。
残っているのは大量の茎のみだ。

はるか昔母親が、
「ポピーは花が落ちるから好きじゃない」と言っていた。
当時の私は、花が落ちるだけで何で好きじゃないのだろう?と幼心に思っていたのを思い出す。

いや、これはいま現在の私の感情なのかもしれない。

ポピーも落としたくて花を落としているのだろうか?必要がありそのように進化したのだろうか?

そもそもあなたはポピーという名前で合っていますか?





ヒナゲシの和名がポピーと言うらしい。

さらに、雑草として道端に見られるそれはナガミヒナゲシと言うらしい。

地中海沿岸が原産らしく輸入品の穀物などに紛れて日本に渡来したとされているようだ。
1960年代東京都世田谷区で初めて確認されたとWikipediaが言っていた。

ケシ科ではあるが麻薬物質はない安全な品種で、道端のそれと花屋のポピーはそれもそれで種類が違うみたいだ。

果実(おそらく茎先端の膨らみ)は細長く、それが名前の由来のようだ。
梅雨の時期には種子を大量につくる。
1つの果実に約1600粒だそうだ。

そして、ここからが本題だ。



ナガミヒナゲシよ。



なんて凶悪で凶暴なんだ。



根と葉からは周囲の植物の育成を強く阻害する成分を含んだ物質が生み出されるのだ。

通りで一帯がナガミヒナゲシだらけなわけだ。
他の植物は一掃されてしまったに違いない。

特定外来生物に指定されている植物に匹敵するかこれを上回るリスク点数が得られている。
しかしまだ特定外来生物には指定されてないようだ。


花言葉は

「平静」「慰め」「癒やし」



目を疑った。




「駆逐」「全滅」「侵略」の間違いじゃないのか。

ポピーは色によって花言葉をたくさん持つみたいだ。
興味があれば是非調べてみてほしい。
私は興味が湧かなかった。
むしろ恐怖すら覚えている。

そして人体にも多少影響があるようなので注意して欲しい。
ナガミヒナゲシはアルカロイド性の有毒物質(前述の植物育成阻害物質?植物毒のほとんどがアルカロイド性で体内に入ると下痢、嘔吐、腹痛等の症状が出るようだ。)を含んでいる。
害虫や動物から身を守るための植物毒である。素手で、茎に触ったり、折ったりすると手がかぶれる恐れがあるみたいだ。

小さい子供さんは特に注意が必要かもしれないので頭の隅にでも置いておくと良いかもしれない。


つまるところ、
今まで雑草という認識だったポピーは、
ナガミヒナゲシと言う名前があった。
調べればどこから来たのか、危険性がある、
様々なことを知る事ができた。

そう、雑草という名前の植物はないのだ。

自分が知らない、ただそれだけで。
雑草と一括りにして良いものなのか。
人間に置き換えれば、名前を呼ばずおいそこの凡人と言われるようなものだろう。

違うか?

いや、多分そうだろう。


雑草という名前の植物はない。

そんなどこかで聞いたことのある台詞を言いたいわけではない。

ナガミヒナゲシは意外と危険だ。
気がついたらそこかしこがナガミヒナゲシだ。

そんな事になるかもしれない。


ナガミヒナゲシには気をつけろ。

という雑草の話。

ではなく、


ナガミヒナゲシの話。

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