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実務従事体験記#中小企業診断士#TAC名古屋#実務従事

みなさんこんにちは!
TAC名古屋中小企業診断士合格コミュニティ「QCC」広報班の杉本です。

今回は、実務従事で体験した中から私が特に重要だと感じ印象に残った3点(中小企業診断士の定義、人事、事業計画書)を、私なりの解釈で整理しましたので、ご紹介いたします。

実務従事ってそもそもなに?という方はこちらの記事をご参照ください。



講義談1:中小企業診断士とは


①中小企業診断士の定義

中小企業診断士は、国が認めたコンサルタントとされていますが、中小企業庁のホームページに企業のサポートのようなニュアンスが書いてあるのみで、コンサルタントと公式に定義されているわけではありません。

では、中小企業診断士とは何なのか。

民間のコンサルタントとの違いは、行政の施策や方向性を企業に伝える役割がある点です。例えば、賃上げや価格転嫁に関する最新の行政施策を企業に伝えることで、企業が適切に対応できるように支援します。

行政の情報や施策を中小企業に適切に届け、実現性の高い計画、戦略立案の支援をすることが中小企業の役割ということです。

②試験合格時点の現在の立ち位置

まず、中小企業診断士は1次試験と2次試験のプロセスを経て資格を取得します。1次試験では、7科目の基礎知識を習得し、法的にも社会的な価値を獲得します。これにより、法律に準じた立場で企業を支援する力が身に付きます。2次試験では、取捨選択の能力や顧客のニーズを整理する力が求められます。

そして、合格後には、中小企業診断士の仕事として、さらに進化していく必要があります。補助金申請の際には、企業の現状をヒヤリングし、適切な施策を提案する能力が求められます。さらに、コンサルティングの分野に進出していこうとすると、企業の持続的な成長をサポートするスキルが必要となります。

合格時点では、ルールを知識として獲得した段階で、その活用はこれからの取り組み方にかかっているということです。

③財務と経営の視点

財務の見立てができることは中小企業診断士の重要なスキルです。企業の経営計画を策定し、実現性の高い戦略を立てることで、企業の成長をサポートします。具体的には、繰越利益剰余金を増やし企業の財務体質を強化することが目標です。

講義談2:人事とは


①人事の役割

企業の成長を支えるためには、人事部門の役割が非常に重要です。売り上げがあがるときには、余剰人員を登用し将来に向けての投資を行います。人員採用のリードタイムは4~8か月かかるため、計画的な採用が求められます。

将来の組織図を描き、それに基づいて採用計画を立てることが重要です。例えば、現在15人で粗利1.5億円の企業が、5年後に粗利3億円を目指す場合、30人の体制が必要になります。これに基づき、売り上げ計画も立てていきます。

②エンゲージメントの向上

従業員のエンゲージメントを高めることも重要です。エンゲージメントとは、入社前と後の幸せの差分を指し、従業員が幸せになることが目的です。これにより、企業全体のパフォーマンスが向上します。

講義談3:事業計画書について


①補助金と助成金の違い

まず、補助金と助成金の違いについて理解しておきましょう。

・補助金
:経済産業省や自治体が提供し、政策達成が目的です。審査が厳しく、詳細な事業計画書が求められます。

・助成金
:厚生労働省が提供し、社労士が担当する場合もあります。申請のハードルは補助金より低いですが、適切な計画が必要です。

補助金情報サイトとしては、J-Net21ミラサポplusがあり、最新の情報を得ることができます。

②事業計画書の目的

事業計画書の目的は多岐にわたります。
・ステークホルダーのプレゼン資料:事業内容を明確に伝えるための資料です。
・相手の行動を促すもの:投資家や金融機関の行動を引き出すための計画です。
・競争力強化:社内関係者に対して高い目標を設定します。
・対外的な信用の獲得:金融機関などに対して確実な計画を示します

③事業計画書の書き方

事業計画書の基本構成は以下の通りです。

  1. 事業者自己紹介:会社の概要や事業内容を紹介します

  2. 現在の事業の状況:現在の業績や市場環境について説明します

  3. 現在の課題:直面している課題を具体的に挙げます

  4. 課題解決のためにやるべきこと:具体的な対策を述べます

  5. 新事業や改善計画の将来性:新規事業や改善計画がどのように企業に貢献するかを説明します

  6. 収益計画:具体的な収益予測を示します

④事業計画書のポイント

事業計画書を作成する際のポイントを以下にまとめます。
・一つの物語であることを意識する:事業者の「なぜやりたいのか」を伝えることが重要です。
・読みやすさと理解のしやすさを追求する:文体や構成を工夫し、読みやすくします。
・具体性は、客観的な情報と数字で示す:データや統計を駆使して具体性を持たせます。

⑤市場調査の調べ方

市場調査は事業計画書の信頼性を高めるために不可欠です。以下のツールなどを活用しましょう。
地域経済分析システム(RESAS)
統計グラフ化ツール(グラレスタ)
地図による小地域分析(jSTAT MAP)
企業の健康診断ツール(ローカルベンチマーク)
業種別特徴(金融庁)(業種別支援の着眼点)

⑥その他のポイント

さらに以下のポイントを踏まえることでよりよい事業計画書となります。

・現実的な視点での計画立案:変えられるものと変えられないものを考える。5年後までのビジョンを売上起点で考える。
・客観的評価:売り上げに関するものは強み弱みに入れない。客観的に評価する
・業務移管:内部の業務移管が進んでいない場合は、計画的に進めることが重要。部長目線の対応から、全体の視点に移行することを目指す。どの部分までの権限を委譲するか慎重に検討し、業務効率を向上させ組織全体のパフォーマンスを高める
・外に目を向ける:外部の市場や競合状況を把握し、適切な対策を講じる

終わりに

その他にも、診断士としての行動指針を多岐にわたりノウハウや裏話を交えた大変参考になる話がありました。ぜひ皆様も試験合格後に、どのように実務ポイントを獲得しようか迷われた際には、民間で取り扱っている実務従事に参加検討してみてはいかがでしょうか。

令和6年度の中小企業診断士2次試験が残り一か月を切ってきました。受験生の皆様は、1年2年と取り組んできた診断士資格取得の集大成として、ラストスパートを掛けるべく、試験本番に向けて事例に取り組んでいることと思います。

時には、勉強に気が乗らない状況で、合格後に診断士として活躍する姿を思い浮かべながら、自身を奮い立たせることもあるかもしれません。そんなときに、今回の内容がみなさまのご参考になれば幸いです。

合格目指して頑張ってください!

QCC活動紹介記事はこちら


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