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3月末をもってライボ代表取締役を退任します

こんにちは。 株式会社ライボ代表取締役の小谷です。
この度、2015年に創業してから8年間務めた株式会社ライボの代表取締役を退任いたします。 ここに至る経緯と、ライボおよび僕のこれからについてnoteにまとめたいと思います。
少し長くなりますが、お付き合い頂けると嬉しいです。ライボは自分の覚悟とこれまでの人生そのものでした。

ライボって?

就職転職にまつわる口コミ・Q&A投稿プラットフォームJobQ( https://job-q.me )を運営しています。 2015年2月に渋谷でシェアオフィスを借りて創業、2019年3月にパーソルグループにM&Aでグループイン、そしていまに至ります。

共同創業者との別れと資金難

ライボは2人で共同創業して、サービス検証を色々重ねて2015年6月にJobQを正式にリリースしました。
JobQをリリースしてからも検証は続きました。定まらないユーザーペルソナ、伸びないKPI、減っていく残預金(そして平気でキャッシュアウトする)…。 スタートアップ初期あるあるは、だいたい全部経験した気がします。
シェアオフィスの月4万円ですらたけぇー!と思っていました。
資金難も重なり共同創業者ともうまくいかなくなり、結果として自分1人が残る形になりました。
余談ですが、先日、共同創業者である裕大と数年ぶりに近況報告の飲みをしてきました。久々にこうして会えてすごく嬉しかったです。あと相変わらず酒が強かった。

普通に酔っ払った

長らく一緒に会社を大きくしてきた飯田がジョインしたのもこの時期です。
飯田は当時大学生でJobQで開催したイベントで知り合い、なかなかなハードシングス真っ只中なタイミングに飛び込んできてくれました。ライボはつい先日に退職しましたが、業務委託という形で少し関わってくれています。
当時、自分が残ることを決めたものの、もちろんですがそれで事業の課題が解決されたわけではなく課題まみれで、自分で決めた覚悟と新しく入った飯田以外になにもありませんでした。
血迷って、謎の地図アプリを作ろうとしたこともありました。笑

飯田くん長らくありがとう

成長の波に乗る

窮地に追いやられながらも、当時株主であったサイバーエージェント・ベンチャーズ(現サイバーエージェント・キャピタル)の竹川さんに追加投資をいただきつつ、メンタルを北尾さんやインフラトップ大島さんなど起業家友人たちに支えられ笑。
昼はビジデブを頑張り夕方頃からコードを書くという時期を過ごして、少しずつ成長の波に乗り始めました。いつもありがとうございます!
当初コミュニティっぽくバイラルさせる形での成長を模索していましたが、口コミ系コンテンツとSEOとの相性の良さから、SEOに振り切ってマーケ施策を踏んだことがうまくハマりました。
当時の開発優先度の最上位は「SEOにまつわるものすべて」で、細かい要件から大型のものまでgithubにissue立ててから即日レベルで他のissueを差し置いてとにかくリリースしまくるというのをやったのが懐かしいです。
(当たり前だけど、)CGMについては嫌というほど詳しくなりました。
事業開発面でも、たくさんの人材会社さまとお取り組みやビジネス検証をさせていただき、事業としてドライブしはじめました。

CAC竹川さん、北尾さんと投資先スタートアップ

パーソルグループにM&A

2018年夏〜秋にシリーズA資金調達として動く中でたくさんのVCさんとお話させていただいたのですが、その中でパーソルのCVCさんとお話させていただく機会がありました。
パーソルとは求人サービスであるdodaとの事業上のお付き合いが既にあったのですが、資金調達の文脈でお話するのは初めてでした。
就職・転職領域でサービス展開をしている手前、人材系CVCさんから資金調達することは慎重に考えていました。
一方で、JobQはコンテンツのプラットフォームとして拡大していたこともあり、転職領域の本線である「求人」そのものの獲得や扱いが弱いこともあり、何かしらの連携に可能性があることは確信していました。
結果として資金調達の文脈からM&Aのご提案をいただいて、3ヶ月ほどで当時パーソルキャリアの代表取締役である峯尾さんをはじめ、事業部の方などたくさんの方をお繋ぎいただきました。
お互いのビジョンや市場に対する考え方、成長余地について丁寧にコミュニケーションして、さらに事業が次のステージに進めると確信し、着地に至りました。
当時のことは担当していただいた岩田さんとの対談イベントのログミーにもまとまっています。 (https://logmi.jp/business/articles/321525

プレスリリースのときの写真、若い

M&Aと憂鬱とその先

M&Aした起業家の大半がメンタルブレイクするそうです。
話には聞いていたし、(ある種自分を守るためにも)グループインに至るディスカッションの中でオフィスの独立性や採用の自由度、組織文化の醸成にまつわることなども含めて大いに許容してもらって丁寧に進められたこともあり、まさか自分がと思っていました。
ですが、グループインから2ヶ月後に左耳が聞こえなくなったり、めまいが起こるようになったり(メニエール病と診断された)という症状がでてしまいました。
グループインしてさらにここから伸ばすぞ!と組織を鼓舞して前に進もうとする反面、個人としてはつらい期間でした。
何事も心の持ちようで、会社そしてプロダクトの存在意義や価値、自分の人生のミッションなど、時間をかけて自分なりの納得感を得るまで少しの時間がかかりました。
幸いにも、グループインして半年後には再びエンジンが100%起動している状態に回復できました。本当によかったと思うのと、自分の人生としても大きな糧になったと思います。
その期間に会社の成長を支えてくれたメンバーたち、そしてスタートアップの友人たちには大感謝です。

組織の拡大、次のチャレンジへの決意

大手企業のグループ会社にはなったものの、あくまでまだまだ小さいスタートアップであることは事実で、その精神を組織に維持しつつ大きな画を描きながら邁進してきました。
採用も加速し、従業員数は50人を超えてきました。それと同時に事業の課題ももちろんあるのですが、それに加えて組織の課題と向き合うことも増えてきました。
「拡大するスタートアップでは途中から社長の仕事の半分以上が採用になる」という定説がありますが、グループインしたスタートアップでもそれは同じでした。(株主構成は変われどスタートアップはスタートアップだなと学んだ機会でもありました。)
いまではグループインからかれこれ4年間が経ったことになりますが、組織体制が少しずつ整い、各部署のマネージャーが戦略方針を策定、実行できる体制になってきました。
言われてみれば当たり前の体制なのですが、この体制に至るまでが本当にカオスだったのと、めちゃくちゃ下手くそでした。メンバーにはたくさん迷惑をかけてしまいました。支えてもらって本当に感謝と、同時に大反省です。
そんな中で、プロダクトの成長と併せてM&Aのときに描いていたグループ内事業連携やグループシナジーの話の目処が付いてきました。
担当役員のパーソル森さんともお話を重ね、少しずつ自分の次のチャレンジのことを考えるようになり、今回の意思決定に至りました。快く後押し頂いて感謝しております。ありがとうございます。

去年の社員総会

ライボが進む先

ライボは「個が活躍する社会を創る」というビジョンに向かって進んでいます。
JobQは、個が活躍するための仕事を選ぶ上で他の人のキャリアが参考にできるプラットフォームとして価値を届けています。
今回の経営体制の刷新に伴い、後任の代表取締役であるパーソルキャリア森さん、また取締役であるライボ吉澤とパーソル岡田さんと、約1年前頃から向かうべき未来について議論を進めてきて、やはり大きな画に向かって舵を切っていこうと。これからも創業時に掲げたビジョンに向かって邁進していきます。 (議論の中で、創業者である私のビジョンや考え方を尊重していただく場面も多く、大変感謝しています。お三方、ありがとうございます。)
そして、JobQは、実はさらなるパワーアップをするために、1年以上前から大型のリニューアルが進行しています。 他の人のキャリアを参考にできるコンテンツのプラットフォームから、個々人の仕事選びそのものを支えるプラットフォームへ進化していきます。
今後のJobQの進化にぜひご期待ください!

これから

3月末に代表取締役を退任、4月は引き継ぎ関連の仕事をしながら、4月末に退職する予定です。
それが終わってから、次もスタートアップをやります。
色々と案を練りつつも、まだ具体的には着手していません。(社名を決めてドメイン取得までやりました笑)
ライボとこれまで関わっていただいた、ライボのメンバー(もちろん昔のメンバーも)、パーソルのみなさま、お取引先のみなさま、投資していただいた株主のみなさま、スタートアップの先輩方や友人たち、本当にたくさんの方にお世話になってここまで走ってこれました。ありがとうございました。
スタートアップらしく、市場に返す形で、これからも頑張っていきたいと思います。
直接の近況報告もしたいので、ぜひ飲みでもランチでもよろしくお願いいたします!

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