R1 問17 配電線路の電力損失と電圧降下

まず、配電線路の電力損失Pʟは次の公式で求めることができる。

<単相2線式>
 Pʟ=2rI²

<三相3線式>
 Pʟ=3rI²

電力は電圧と電流を掛け合わせたもので、
オームの法則より電圧は電流と抵抗を掛け合わせたものだから、電力は抵抗に比例して、電流の二乗に比例する。
単相2線式は線路が2本なので2倍
三相3線式は線路が3本なので3倍
公式というほど複雑なものではない。

では問題を見ていく。

(a)

まずは抵抗値rを確認。
1kmあたりの値とこう長が与えられているので、

 r=0.5×2.5/1.0=1.25[Ω]

次に電流Iを求める。
三相負荷の容量Pと電圧V、力率cosθが与えられているので、

 P=√3VIcosθ
 I=P/√3V cosθ
 =60,000/(√3×6,600×0.8)
 ≒ 6.56[A]

これより、この配電線路での電力損失Pʟは

 Pʟ=3rI²
      =3×1.25×6.56²
  =161.375[W]

よって一番近い(4)が正解。

(b)

まずは三相3線式の電圧降下の公式。

 Vʟ=√3I(r•cosθ+x•sinθ)

抵抗rは(a)で求めた通り。

 r=1.25[Ω]

リアクタンスxは1kmあたりの値とこう長が与えられてるので、

 x=0.2×2.5/1.0=0.5[Ω]

受電端の電圧降下率を2%以内にするということなので、与えられている受電端電圧Vより、電圧降下Vʟの最大値は、

  Vʟ=V×0.02
        =6,600×0.02=132[V]

力率は変わらないということなので、

 cosθ=0.8、sinθ=0.6

以上を踏まえ、電圧降下の公式から電流Iの最大値を求める。

 I=Vʟ/√3(r•cosθ+x•sinθ)
    =132/√3(1.25×0.8+0.5×0.6)
    ≒ 58.62[A]

この時、負荷容量の最大値は

 P=√3VI cosθ
  =√3×6.6×58.62×0.8
      ≒ 536.1[kW]

当初の負荷容量が60[kW]なので、増設可能な最大負荷容量P'は、

 P'=536.1-60=476.1[kW]

よって、一番近い(1)が正解。


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