R3 問12 配電方式

単相3線式配電方式に関する問題。
単相と三相、2線式と3線式、1回線と2回線などといったあたりの区別がまだ曖昧で、この問題も解答読んだだけではいイマイチ腑に落ちていない。
こういうときこそアウトプットしながら理解を深めるのが効果的。

(1)
電圧降下は抵抗と電流の大きさに比例する。
3線式では負荷を分散させるのかだから、1線あたりに流れる電流の値が小さくなる。
なので電圧降下は小さくなる。正しい。

(2)
負荷Pと電圧Vの関係について、正しく理解しておく必要がある設問。
電流をI、抵抗をRとすると、

 P=V I=V²/R

と表される。

「中性線と各電圧線の間に接続する各負荷の容量が不平衡な状態」がどのような状態かと言うと、
例えば片方にP₁(100[W])、もう片方にP₂(200[W])の負荷が接続されているとすると、電圧Vはそれぞれ100[V]なので、それぞれの負荷の抵抗値をR₁、R₂とすると、

 R₁=V²/R₁=100²/100=100[Ω]
 R₂=V²/R₂=100²/200=50[Ω]

となる。

この状態で中性線が切断されると、P₁とP₂が直列に繋がった回路に、200[V]の電圧がかかることになる。
この時、各負荷に流れる電流Iはいずれも

 I=V/(R₁+R₂)
    =200/(100+50)
    ≒ 1.33[A]

となる。
ここで、各負荷にかかる電圧をV₁、V₂とすると、

 V₁=R₁•I=I00×1.33=133[V]
 V₂=R₂•I=50×1.33=66.5[V]

となり、P₁、P₂にかかる電圧は

 P₁:100[V]→133[V]
 P₂:100[V]→66.5[V]

と変化することになる。
つまり、容量が大きい側の方の負荷P₂にかかる電圧は低下し、反対に容量が小さい方の負荷P₁にかかる電圧は高くなる。
よってこの設問は正しい。

(3)
各負荷の容量が不平衡な場合、流れる電流も不平衡となり、中性線にも電流が流れることになる。すると中性線でも電力損失が発生するので、全体の電力損失が大きくなる。
よって正しい。

(4)
これは3線式の特徴そのままなので正しい。

(5)
2線式の場合は、往路と復路の2線で負荷容量Pを供給するので、1線あたりの供給可能な電力は1/2Pとなる。
一方、3線式の場合は、3線で2つ分の負荷に電力を供給できるので、1線あたりの供給可能な電力は2/3Pとなる。
なので、電線1線あたりの供給可能な電力は、単相3線式の方が大きい。

ということで、(5)が誤りである。

丁寧に確認しながら見ていくと、少し理解できた気がする。

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