H24 機械 問1 直流機の構造

(ア)、(イ)
固定子は界磁、継鉄などからなる。
回転子は電機子、整流子などからなる。
これは一つ前の記事で整理した通り。

(ウ)
電機子は磁束の中で回転するのだから、電機子から見た磁束の向きはコロコロ変わる。なので交番磁束。お巡りさんの交番ではない。交互に向きが変わるから"交"は分かるけど、なぜ"番"なのだろう。

(エ)
これも前の記事で整理した通り、積層鉄心を用いる。

ここまでで(1)に絞れるので、(オ)は重ね巻が正解。


よく理解できてないところを少し深掘りしてみる。

<固定子の構造>
固定子は界磁と継鉄などからなる。
界磁は磁束を作るもので、界磁鉄心に巻いた巻線(コイル)に電流を流して磁束を発生させる。
回転子を挟むように対にして界磁を設置して、両側の界磁を繋ぐように継鉄で被うことで、外側に磁束を逃さないようになっている。
この時の1対の界磁を磁極といい、この磁極の数が直流機の極数となる。

問題の解答の絵を見たら分かりやすいけれど、文字にするとこんなところだろうか。
見直した時にこの文字から絵を思い出せれば、きちんと理解できていると言うことだろう。

<回転子の構造>
回転子は電機子と整流子からなる。
電機子は固定子の内部に設置して回転させることで磁束を切って起電力を発生させるが、導線だけだと磁極の間に空気層ができてしまい、磁束が効率よく通らない。
なので、磁束を効率よく通す鉄心(電機子鉄心)に導線(電機子巻線)を巻いた構造にすることで、より強い磁束を効果的に切ることが出来るようになる。

電機子の回転により発生する起電力は、磁極が交互に入れ替わるので交流となるが、整流子は金属片と絶縁片を交互に組み合わせて作られ、これにより交流起電力から直流電流を取り出す(整流する)ことができるようになる。

<積層鉄心>
電機子が磁束を切る際に、電機子鉄心に渦電流が発生し、鉄心の電気抵抗により熱に変換されエネルギー損失(渦電流損)が発生する。
そこで、鉄心に絶縁被膜を巻いた薄い鉄板を積層した積層鉄心とすることで、渦電流を発生しにくくして損失を低減することができる。

積層鉄心の渦電流のあたり、何となく分かるような、でもまだ完全に原理をイメージできていない。

重ね巻と波巻についても今回は置いておく。
まだ直巻、分巻、複巻についても接続方法の違いを知っただけで、内容を理解出来てるわけではないので、もう少し色んな問題を解きながら理解を深めていくことにする。

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