H24 問13 送電線の熱膨張

電力16のところで公式3つと書いたけど、一つは公式と言うほどでもない。
今回の問題で二つ目の公式と一緒に必要となるので、解きながら考えていく。

問題をパッと見て「たるみ」という言葉があるので、単純にたるみの公式を召喚しそうになるけれど、前の記事で書いた通り「実長」の公式でも「たるみD」は出てくる。

今回の問題では「熱膨張係数」とやらが出てきて、温度が上がるほど電線が伸びるという。
つまり「実長L」が長くなるということ。

たるみの式には実長は出てこないが、実長の公式にはたるみも出てくる。

たるみも実長も使うので、今回は次長を召喚。

「次長いやだ2〜3スパン離れて」
 L=8D²/3S+S

では問題へ。
まずは既知の数値を確認。

<導体温度30℃のとき>
 S=100[m]
 D=2[m]
これより、
 L=(8×2²)/(3×100)+100
  ≒100.10667

<導体温度60℃のとき>
ここで「熱膨張係数」を使う。

「熱膨張係数」とは、実長が1℃につき1mあたり1.5×10⁻⁵m伸びるということ。

「熱膨張係数」をα
元の温度をT₁、変化後の温度をT₂とすると、
変化後の実長L'は

 L'=L+L×α(T₂-T₁)
  =L{1+α(T₂-T₁)}

なので、導体温度60℃のときの実長は、
 L'=100.10667{1+1.5×10⁻⁵(60-30)}
  ≒100.151718m]

実長の公式を変形して、
 D'²=3S(L'-S)/8
  =3×100×0.151718÷8
  ≒ 5.68938
 D ≒ 2.385→2.4[m]

ということで(3)が正解。

たるみと実長の値が近い数値なので、途中でごっちゃにならないように気をつける。
今も眠い頭で解いてたら、途中からL=100にしてて答えが出せなくて困ってた。
頭がクリアなら大丈夫だろう。

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