電力03 火力発電(汽力発電)の設備

火力発電は汽力発電とも言う。
「汽」は水蒸気のことで、火で水を熱して水蒸気に変え、水蒸気の勢いでタービンを回して発電する。

火力発電の設備には紛らわしい名前のものがたくさん出てくるので、今回はそれを整理してみる。

とりあえず覚えにくいものを列記してみる。

・再熱サイクル
・再生サイクル
・給水加熱器
・空気予熱器
・過熱器
・再熱器
・節炭器
・復水器
・背圧タービン
・低圧タービン

まだまだ出てくるけれど、とりあえずこれらの違いをちゃんと理解して覚えたい。

再熱サイクル
これは「再熱器」「高圧・低圧タービン」とセットで覚える。
通常タービンに送る蒸気の温度が高いほど効率が良くなるが、温度を上げるのにも限界がある。
そこで、タービンを高圧と低圧の二つに分け、「高圧タービン」から出た蒸気を「再熱器」で再加熱して「低圧タービン」に送り膨張させる熱サイクルが「再熱サイクル」である。

再生サイクル
これは「給水加熱機」「復水器」とセットで覚える。
タービンで利用された蒸気は「復水器」で水に戻し、給水ポンプでボイラに送り再び蒸気となる。
このとき、タービン内の蒸気の一部を取り出し、蒸気の余熱によりボイラへの給水を加熱する熱サイクルが「再生サイクル」であり、この時に使われるのが「給水加熱機」である。

過熱器
ボイラで蒸発した水蒸気をさらに加熱して、高温の過熱蒸気とすることでタービンの効率を上げる装置。

節炭器
ボイラの排熱を利用して、ボイラ給水を加熱することでボイラ効率を上げるための装置。
水から沸騰させるより、お湯から沸騰させた方が燃料(石炭)を節約できる。

空気予熱器
ボイラの排熱を利用して、ボイラの燃焼用空気をあらかじめ温めておくことでボイラ効率を上げるための装置。
節炭器と似てるけど、こちらはその名の通り空気を予熱する。

背圧タービン
「背圧」という言葉が馴染みがなくてイメージしにくい。
 背→背中→後ろ→二次側
という感じで、要はタービンで仕事をし終わった水蒸気の余った圧力を、工場などの作業用蒸気として使用するためのタービン。

これくらい覚えておけば、多少は問題に取り組めるかな。
過去問解いてたさらに必要な知識が出てきたら、また改めて追加していくことにする。

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