R2 問15 水力発電

水は得意分野のはずなのに、しかも割と簡単な問題なのに間違えてしまった。
敗因をしっかり確認しておく。

(a)
流域面積と年間降水量が与えられているので、1年間でその流域に降る雨の量は、

 15,000×10⁶[m²] × 750×10⁻³[m]
 =11,250,000,000[m³]

流出係数が与えられているので、降った雨が河川に流れ出てくる量は

 11,250,000,000 × 0.7
 =7,875,000,000[m³]

上記は1年間の量なので、1秒あたりに変換すると

 7,875,000,000/(365×24×60×60)
 ≒ 249.7[m³/s]

よって、一番近い(4)が正解。

こんがらがったのは(b)

(b)
記事を書き始めた最初の方で書いた通り、水力発電の出力Pは、

 P=ρgQHη

で求められる。
ここで、
 ρ:水の密度、1000[kg/m³]
 g:重力加速度、9.8[m/s²]
 Q:水の流量、(a)より250[m³/s]
 H:水頭、問題文より100[m]
 η:効率、問題文より0.8

よって、この水力発電の出力は、

 P=1000×9.8×250×100×0.8
     =196,000,000

ちなみに単位は

 kg/m³×m/s²×m³/s×m
=kg•m/s²×m/s
=N×m/s
=J/s
=W

求められているのは年間発電電力量なのだけど、仕事量と電力量の関係を正しく理解していなかったので、こんがらがった。

仕事量1[J]は、抵抗に1Wの電力を1秒間流したときに発生する熱量。

電力量1[W•h].は、1Wの電力を1時間使用したときの電力量。

1Wが1秒あたりに発生する熱量だからといって、1W•hを計算するときに3600(60秒×60分)をかける必要はない。

出力[W]が分かっていたら、単純に時間[h]だけかければ電力量[W•h]になる。

問題に戻ると、出力が196,000,000[W]の水力発電を、設備利用率60%で運転したときの年間発電電力量なので、

196,000,000×10⁻³[kW]×24[h/日]×365[日/年]×0.6=1,030,176,000[kW/年]

ということで、一番近い(4)が正解。

こういう問題はだいたい単位を合わせれば答えが出るのだけど、単位の認識が間違っていたら致命的。
今回は電力量[W•h]を正しく認識していなかったために、3600を余計にかけてしまい答えが出なくて混乱してしまった。

ここでしっかり理解し直せて良かった。

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