H22 問17 単相2線式の配電線路の計算

単相2線式の場合の電圧降下の問題。
とりあえず公式を書いておく。

 Vʟ=2I(r•cosθ+ x•sinθ)

(a)
まずは既知の値を確認。
電線1kmあたりの抵抗値があたえられているので、a-b間の抵抗をr₁、b-c間の抵抗をr₂とすると、

 r₁=0.3×250/1000
      =0.075[Ω]
 r₂=0.9×100/1000
      =0.09[Ω]

a点とc点の線間電圧の差が12.0[V]
単相2線式の配電線路なので、
1線あたりのa-c間の電圧降下Vacは、

 Vac=12.0/2=6.0[V]

問題文よりa-b間の電圧降下Vabは、

 Vab=3.75[V]

なので、b-c間の電圧降下Vbcは

 Vbc=Vac-Vbc
         =6.0-3.75
         =2.25[V]

負荷の力率が100%、リアクタンスは無視するので、

 cosθ=1.0、x=0

ここで、a-b間を流れる電流をIab、b-c間を流れる電流をIbcとすると、聞かれているのは1線の電圧降下なので、公式は使わず単純にオームの法則より

 Iab=Vab/r₁
       =3.75/0.075
       =50.0.[A]

 Ibc=Vbc /r₂
        =2.25/0.09
        =25.0[A]

単線図より、

 Ic=Ibc=25.0[A]

 Ib=Iab-Ic
   =50.0-25.0=25.0[A]

よって(2)が正解。

(b)
なんだかややこし。
与えられた条件を整理する。
a-c間のリアクタンスをxとすると、

 x=0.1[Ω]

これは往復と書いてるので2線分の値。

a-c間の抵抗をrとすると(a)で求めた抵抗は1線分なので、2線分で考えて

 r=2(r₁+r₂)
     =2×(0.075+0.09)
     =0.33[Ω]

電圧降下を求めるには電流値を求める必要がある。
負荷容量と電圧、および力率が与えられているので、

 P=VIcosθ

より、

 I=P/V cosθ
 =1500/(100×0.8)
   =18.75[A]

以上より、電圧降下Vʟは

 Vʟ=I(r•cosθ+ x•sinθ)
       =18.75×(0.33×0.5+0.1×0.6)
       =6.075

よって、一番近い(4)が正解。

最後の電圧降下の式は、単相2線式の公式だと2倍することになっていたけど、既に2線分の抵抗とリアクタンスで考えていたので、ここでは2倍する必要はない。
単純に覚えた公式だけを頼りにしていると解けない問題。

今回も、日本エネルギー管理センターの解説動画にお世話になった。非常に分かりやすいので助かる。

最後までご覧いただきありがとうございました!「スキ」をいただけると、今後の執筆活動の励みになります(^o^)/