【ショートエッセイ】阪神・淡路大震災 テント住まいの長田の老女
Net De 連想コラム「大谷翔平《ドライブライン》~能登半島地震《災害トイレ》~強制移住」という原稿でも書いたのだけれど、わたしは、1995年に発生した阪神・淡路大震災の現場で短期間ではあるけどいろいろな人にインタビューをした。
ある人からは、火事が起きて火の中から、「たすけてくれえ」と叫ぶ声を聴いた話なんかをさんざん聞かされ、こんな話は書きにくいなと思ったりしていた。わたしが書いていた媒体は、刺激の強い話はご法度だったのだ。
そのとき、長田区に住む80代の老女にも話を聞いた。その人は、もともと広い敷地の家に住んでいて、その敷地内の自動車が6台程度は止められるほどの空き地に、テントを立てて生活をしていた。幸い自主避難する環境がそろっていたのだ。
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