散文・宝石の国を読む


9巻までのネタバレを含みます

フォス。
感想を一言でと言われたらもうフォス。としかいえない。
ひときわ脆く、狙われやすく、不器用なフォスが恩人であり同じ低硬度のシンシャの望みを叶えようと奮闘し成長していく。的な、漫画だった。途中まで。
アンタークが連れていかれたあたりから、フォスが望めば望むほど、それが遠ざかっていく。アンタークまではまだ望みと代償の均衡が取れてた気がする。シンシャとの約束を叶えるために失った腕や足は、シンシャのためという比較的前向きなパワーがあったと思う。
けどアンタークは。アンタークはシンシャと違ってもう居ないし、生き返らせることも不可能なんすよ。ここでもう望みと代償の均衡がぶっ壊れてしまった。
「役に立ちたい」「シンシャを夜から連れ出したい」ここに核爆弾級の「アンタークを連れ戻す」が追加され、前の二つは薄れてしまったけど、悪い感じにこびりついて残ってる感じがする。で、「アンタークを連れ戻す」の過程で、ゴーストを失い、先生への愛を失い、自分の頭(自我も混濁するし)を失った。得たのは月人の技術や、良き相棒だった。
そして月人から提示された情報を元に、「金剛先生に祈らせて、宝石たちを欠けないようにする」望みが生まれた。その過程でシンシャに断られ、宝石の半分以上に敵視され、カンゴムとは道を違えた。

もーつらい。つらすぎる。
フォスを構成するものはどんどんどん変わっていくけど、フォスの頑張り屋さんなところは全然かわってないんでよ。いつでも自分の出来る最大限の事をやってるのに、それが何一つうまくいかない。

以下ド散文—————————————————

・シンシャがフォスにお前に独りの辛さはわからねぇ的な事言うけど、フォスもめちゃくちゃ独りなんだ。。。。いやシンシャが分からないのは分かるのでそれがとてもつらい。
・エイティー・フォーがサーティ・スリーを月に行かせるのが可愛そうっていってたのって、自分と離れるためだけにサーティ・スリーを他の宝石や先生から引き離すのが可愛そうって意味かな?ごめんなさいがあまりにも効く
・先生の宝石達への愛が。愛がよ。機械が人間の骨を愛してるのに、人間の心は骨も肉も愛してなんてないんや。先生はどうやったら祈れるようになるんだろ?壊れたのにも理由があるんかしら。
・カンゴムが虹彩摘出するときのゴースト怖すぎてしんだ。カンゴムが外側の呪いから解き放たれたのは単純に嬉しいんだけど、ゴーストとかラピスとか、フォスとかとのいい重なりもまるごとバッサリ切ってるのがつらいところ。
・ダイヤ兄弟は絶対に戦ってくれ
・もし先生が祈って月人が居なくなって、宝石達が平和に暮らせるようになっても、ルチルやダイヤ見る限り割と込み入った感情を持つので、月人と同じような感じになりそうで怖い。今は月人に捕まる事が死の役割をになっているので...。タイトル的に最終的に宝石だけ残りそうなきもせんでもなしやし。
・逆リメンバーミーなところがおもろい。宝石の国は祈られたら無になれる(無が救い)だけど、リメンバミは祈られたら死後の世界で永遠の命を得れる(永遠が救い)
・ていうか月人技術発達してんのに金剛先生への対処法が機械的にプログラムし直すとかじゃなくて精神的テレビ叩いて直す戦法でなんでやねんってなる。今いる月人は他人に祈られなかったクズ人間ってことになってるけど、基準はなんなんだろ。みんな犯罪者とかだったりすんのかな...。
・カンゴムはエクメアに対して、敬慕的な感情を抱いていてこれが宝石達の愛の形で、エクメアはカンゴムに対して性的なもの混みでの愛(人間と同じ)を抱いているのか?エクメアが怪しすぎてわからんけど。愛してんのかなほんとに。

はーフォス。

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