マイナビベガルタ仙台レディース戦で見せた愛媛FCレディースの変化の意味、それは最強浦和レッズレディースを倒すための布石

昨夜、ウエスカ対エイバルを見て寝ようと思ったのですが、試合を見終えても、明日、というか、今日の浦和レッズレディース対愛媛FCレディースの試合が楽しみで眠れなくて、もう1試合ぐらいサッカーを見ようと思いました。

何を見ようかとDAZNと、にらめっこしていたのですが、マイナビベガルタ仙台レディース対愛媛FCレディースの試合を見ていないことを思い出したので、このゲームを見て寝ることにしたんです。

この試合があった日は、町田ゼルビア対愛媛FCの試合と同日で、現地観戦したため、ライブでは見逃してしまっていたんですね。しかも、試合終盤での吉田眞紀人選手の劇的なゴールで勝ったもんだから、あとで見るつもりだったのを忘れてしまいました。

で、マイナビ対愛媛Lの試合を見ました。結果についてはTwitterのタイムラインで、負けたことは知っていましたが、正直、驚きました。5-0のスコアで負けたことに驚いたのではありません。これまでの愛媛Lの戦い方を大きく変えていたからです。

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愛媛FCサポなら、ご存知の方も多いと思いますが、愛媛FCは、川井監督就任以降、クラブ全体としての方針として『ボールを大切にする』というコンセプトを掲げて、この数年戦ってきました。

今シーズン、愛媛FCトップチームはなかなか勝ち星をあげられず、現在最下位で苦しいシーズンとなっています。なでしこ1部に初めて昇格した愛媛FCレディースもよく戦っていますが最下位で、挑戦と試練のシーズンとなっています。

この現状に対して、戦い方を見直すべきだ、という声も聞こえてきますが、それでもトップチームもレディースチームも『ボールを大切にする』という基本コンセプトを維持して戦っています。

今シーズンは特例として降格が無いため、目先の勝ち点にこだわりすぎず、今後に向けて、チームとして戦い方に磨きをかけ、積み上げを図るという狙いもあったのだろうと思います。

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ここからが本題です。
なでしこリーグも終盤を迎えたマイナビベガルタ仙台レディース戦で、そのコンセプトとは全く違う戦い方へと変えていたのです。試合を見た人ならわかると思いますが、ボールを奪うと、縦に素早く前線の選手へボールを当てる、もしくは、ディフェンスの裏のスペースを狙うようなプレーをしていました。前から奪いに行く意識を強く持ち、奪ったら速く攻める、カウンターサッカー的な印象です。

シーズン序盤で、INACと対戦したときは、自分たちの信念を貫くように、自陣深くから、キーパーと連携して後方からのビルドアップにこだわりゲームに臨み、何度奪われようとも、粘り強い守備とショートパスで相手ゴールへ迫ろうと試みていたはずが、全く別のチームのようです。

赤井監督は、この試合、どうして戦い方を変える決断をしたのでしょうか?コンセプトと異なる戦い方をしてまで、何かを得るべきものがあるのでしょうか?

私の推測は、今シーズンのなでしこ1部リーグで優勝すると思われる浦和レッズレディースを相手に『勝利』するための決断だと思っています。

優勝するであろうチームから1勝を挙げることは、愛媛FCのコンセプトを捨ててでも挑戦する価値がある、と赤井監督は判断したのではないでしょうか。

あくまで個人の主観に基づく仮説にすぎませんが、以下のように推論しました。

●これまでの試合で、通用する部分、通用しない部分がわかってきた。そこで、通用する部分をより強化するような戦い方へとシフトすることにした。

●シーズン終盤に入って、なでしこリーグ1部の優勝争いも絞られてきた。浦和レッズレディースの優勝が決まるかも知れないという状況ともなれば、4000〜5000人のサポーターで浦和駒場スタジアムが真っ赤に染まる。そこで愛媛FCレディースがアップセットを演じたら、これ以上ないほどのインパクト。

●また来シーズンはWEリーグがスタート。日本における女子サッカーの『最高峰なでしこリーグ』としては今年で最後になるため、国内トップのチームと対戦する機会は、今後、いつ訪れるかわからない。やるなら今だ。

●浦和レッズレディースとの試合に照準を合わせるとするならば、なでしこ代表合宿との兼ね合いで、10月最終週は試合がなく、1週間の時間を活用して準備に取り組むことができ、かつ、浦和レッズレディースとの試合前にマイナビベガルタ仙台レディースを相手に試すこともできる。

いかがでしょうか?セレッソ大阪堺レディース、新潟アルビレックスレディースに2連勝した後、赤井監督がこのような決断をしていたとしたら…。

すでに上述しましたが、先週のマイナビ戦はボールを奪いに行こうとする意識を強く持ってプレーしていたようで、ときおり複数の人数でボールを奪い取りに行くシーンもありました。しかしながら剥がされてしまうと、一気にピンチになってしまうような印象も持ちました。

その一方で、前半15分までと、後半85分からは、奪ったら縦に早い攻撃で押し込み、愛媛FCレディースのペースでした。

ボールを奪いに行き、攻めに出ようとするときでも、リスク管理にも気を配りつつ、粘り強い守備をして、失点せずに時間が過ぎていけば、焦りから相手のミスも増え、展開も変わる可能性があったと思います。そして、あとはチャンスでゴールを決めきることが出来るかどうかがポイントではないかと見ています。

この戦い方で、優勝を決めにくる浦和レッズレディースに一撃を見舞って、大番狂わせを…

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相手がどんな戦い方をしようと、それを上回っていくのが強いチームです。今の浦和レッズレディースは本当に強いチームです。勝つのは非常に難しいと思います。それでも、サッカーに『絶対』はありません。今の実力で、愛媛FCレディースが、浦和レッズレディースに勝つのは、10回に1回、いや、20回に1回、ぐらいの難しさかも知れませんが、その1回が、今日であることを信じて私は浦和駒場スタジアムへと向かいます。そして、静かに試合を見守りたいと思います。

頑張れ愛媛FCレディース!勝て!

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