閑話休題みたいな
連載のエピソードがひとつ終わったので、箸休めに駄文を書く。
「揉んでも抱けない!」を週プレモバイルで連載していたとき、週プレ本誌はAKB一色だった。グラビアや記事など、載っていない号はなかった。ポスターやDVDといった付録もあったと記憶している。
にもかかわらず、KBG49なんてアイドルを作品に登場させ、エロいネタにしたのは、集英社や秋元某に喧嘩を売ることが目的ではない。単なるおふざけだった。どうせならお膝元でやったほうが面白かろうと、悪ノリをしたわけである。
幸いにも、特にクレームをつけられることはなかった。どうやら私の連載など、ほとんど読まれていなかったらしい。
(KBG49って何? と、興味を持った方は、紅文庫の『揉んでも抱けない』をお読みください。まあ、ちゃっかりさんね)
文句を言われないのなら、どんどんやったれと調子づくオレ。すでに公開したエピソードでは国民的アスリートをネタにしたし、それ以降もあれこれおちょくり、好き放題に書きまくった。
この連載、そもそもいつまでという話は事前に聞かされていなかった。本誌で連載した「泣き虫先生」みたいに、飽きられるまでやればいいんだなと思い、基本設定だけを考えてスタートしたのである。折々のネタを自由に仕込めたのは、要は何も決まっていなかったからなのだ(いちおうラストは考えていたが)。
ちなみに、連載は毎週更新で、分量は一回あたり13枚ほど。作家として最初の連載である「泣き虫先生」で鍛えられたおかげで、さして苦労もなく続けられた。
もちろん仕事はそれだけでない。年に10冊前後は書き下ろしをしていたし、他の連載や短編もあった。そんな中で、「揉んでも抱けない!」は肩の力を抜き、自分も愉しめた仕事だった。
おそらく、私なんかよりも遥かに大変だったのは、イラストのMAKI氏であったろう。何しろ、連載中は毎回カラーイラストが付いたのだ。訳のわからないものを読まされ、内容に合ったイラストを描くのは、かなり難儀だったに違いない。その節は本当にお世話になりました。
(なお、MAKI氏は『揉んでも抱けない!』に続く『奥まで撮らないで!』のイラストも担当してくださった。そちらは140回を超える長期連載になった。『奥まで撮らないで!』の文庫版<二見文庫:奥まで撮らせて>に入りきらなかった分も、いずれここで公開する予定)
MAKI氏のHP → http://shm.jpn.org
そういうわけで、昔話ばかりするのは老化の始まり。懐かしがるのはこのぐらいにしておこう。最後に、ちょっとだけ真面目なことを書く。
「揉んでも抱けない」もそうだが、noteで作品を無料公開することには、若干の迷いがある。お金が欲しいとか、そういうことではない。そもそもアクセス数が少ないのだし、これで有料にしたら、閑古鳥が啼きわめくであろう。
理由は、某漫画村みたいに、ネットでは何でもタダで手に入るという風潮に荷担したくないからだ。無料が当たり前なんて考えが根付くのは好ましくないし、収入を得るべく頑張っている人々の努力にも水を差したくない。
ただ、ここを訪れる方は、物の道理をきちんとわきまえているはず。いちおう宣伝も兼ねて、このまま無料で続けることにする。そもそも原稿料は連載時にいただいているので、同じものをそのまま出してお金をもらうのも気が引けるし。
とにかく、みんな仲良く、平和に暮らせますように。まあ、偽善者ね。