アドバンス答練⑥ 事例Ⅱ 参考答案

こちらの問題、個人的には非常に楽しめました。
事例Ⅱで絶対に注意しなければいけないことは「一般論やアイデアにそれないこと」です。これやったら、即来年ですね。
特に、今年は受験者が多くなることが予想されるので、ケアレスミスした人から負けます
反対に大事なのは、「与件のアイテムを使って戦うこと」です。言い換えればこれ以外要りません。

正直、手段がどんなものであろうと差がつくはずがありません。今回でいえば、「エステと協業して、婚活と合わせたサブスクリプション型のサービスプログラム」であろうと、「スポーツジムと協業して、ダイエットと結婚の結果にコミットするサービスプログラム」であろうと、採点で優劣を付けられるはずがありません
なので、手段は与件のアイテムを使えば何でも良いので、それによってB社の経営課題をどのように解決するかを意識してください。
反対に”手段からこねくり回そうとすると絶対にズレる”リスクを意識してください。なので、”ケツ(結果)が先、手段は後”を意識してもらえるとズレを防げます。

じゃあそのケツとは何か。まさに、事例の全体像である今後のB社の方向性経営課題ですね。今回は与件文を読んだ後に3つの経営課題を必ずどこかの設問で解決する必要がありました。
・大手との差別化
・新規顧客の開拓
・退会者の防止
です。このケツを意識しながら解答要素を構成できていたかをチェックしてください。

【第1問】
SWOT分析は後の設問との関連を意識しながら書きましょう。
4つで配点20点なので、おそらく1つ5点かなという想定ですね。あれもこれも詰めるのでなく、優先順位の高いものを明確に指摘しましょう。

S:「一人一人に丁寧なサービス」は気づきやすい。あとは、大手に対する優位性である「成立率が高い」も超マストで指摘したい。
W:「メディアの露出が少ない」などは指摘しやすい。さらに、「新規開拓の伸び悩み」、「退会者の増加」という解決すべき経営課題も超マストで指摘したい。
O:これは婚活市場の拡大や、図表と与件から高齢者世代の婚活ニーズの拡大を指摘できると良いでしょう。個人的には、後の設問で使うので「国や自治体の支援」も入れました
T:これは競合の増加を指摘できれば良いでしょう。後の設問で必ず差別化しましょう。

【第2問】
この設問で「新規顧客の開拓」を解決ですね。
なので、ケツ「クチコミの創出」「認知度の拡大」「入会意欲の喚起」みたいな形になるかもしれないですね。
それをもとに与件のアイテムを選択して、テキトーにそれっぽい手段を考えます。
ただ、B社の強みにはマストで目を付けたいです。個人的にはこの設問で「飲食店でパーティ」かなと思いました。ネットの個別性や双方向性を活かして「好みの雰囲気に合うパーティを個別に案内」「顧客の要望を企画に反映」的な感じでまとめています。
あとは、設問文にある”友だち追加”ですね。与件文に繰り返し「社長は人と人を繋ぐのが好き」とあったのでこのアイテムを選択しました。
動画なども使いたかったですが、私はうまく使えませんでした。

【第3問】
これもケツから考えました。なんとなく最終問題が「地域密着で大手と差別化」かなと思ったので、この問題で「退会者の防止」を解決しています。
なので、ケツは「顧客関係性の強化」「継続的な顧客接点の構築」「顧客満足度を高め退会を防止」みたいな形になるかもしれないですね。
あとは与件文に「外見を変えて前向きになりたい~B社単独ではできない」とあったので、この問題で「エステや美容室と協業」「女性を獲得」という根拠が当てはめやすかったです。
あとは、与件のアイテムですね。今回もB社の強みを強烈に意識したい。B社は「丁寧なカウンセリング」ができるので、「得た悩みを協業先と共有して実現に向けてサポート」ぐらいのイメージですね。

このような一見チープな内容でも、上記の「婚活と合わせたサブスクリプション型のサービスプログラム」「ダイエットと結婚の結果にコミットするサービスプログラム」試験として採点に差を付けることは不可能です。

【第4問】
この設問で「大手との差別化」ですね。設問に図を参考にしながらとあったので、ここがシニア向けになることは明白ですね。大事なのは、「60~80歳のシニア層」デモグラフィックだけ指摘するのではなく「老後が不安で婚活を始める」といったサイコグラフィックにも着目しましょう。

与件文の論理を紐解くと、大手との差別化に必要なのは「一人一人に向けた丁寧なサポート」「地域密着」ですね。なので、この問題もケツから決めて、あとは与件のアイテムを当て込むだけです。
与件文にはB社の地域は著名なスポットがあり、「カジュアルな出会いの場」を求めるニーズもあったので、まんま「市内の観光スポットを活用したカジュアルな出会いのプログラム」でいいかなという感覚です。

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このような形で企業の方向性や経営課題を意識しながら”ケツが先、手段は後”を意識できるとズレなくなります。
今回も「施策どうしよう」手段からこねくり回してしまった方も多くいることと思います。実際の本試験ではズレるリスクがあるほか、時間がかかりすぎてテンパるリスクがあります。
なので、”与件のアイテムで戦う”ことを意識しながら過去問分析を進めてみてください。


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