「ハミが抜ける」とはなにか

先日の新潟記念(G3)において、スタート前にライトバックが放馬・競走除外となった件。
こうなってしまった理由は記事で書かれているが、ライトバックがゲートに寄らなかったから係員に引っ張って貰ったら馬が反発してハミが抜けてしまった。と説明されている。

僕は、この説明だけだとファンには伝わりきらないと考える。少しだけ補足したい。


「ハミが抜けた」は間違い?

あくまで僕が感じたことだが、今回は「ハミが抜けた」と報じられているけれど、本当はそうじゃないと考えている。
その理由は、ハミが抜けたという表現は別に使うシチュエーションがあるから。そして、今回の件は別の用語で言い換えることが出来るから。
まず、ハミが抜けたと使われるシチュエーションについて説明する。
おそらく、それなりに競馬を知っている人には説明しなくても分かって貰えるとは思うが、ハミが抜けるという表現はレースの最中に使われる機会が多い。
これは「折り合い」がついたという意味で「道中ハミを抜いて走ってくれたので、最後の1脚に繋がりました。」というようなコメントを聞いたことがあるはずだ。
僕はこれを本来の意味で使われる「ハミが抜けた」であり、今回の事案はハミが抜けたではないと思っている1つの理由だ。

もう1つの理由として「言い換えることが出来るから」と言っているけど、どう言い換えるか?
それは「頭絡とうらくが抜けた」
この頭絡が示すものは、ハミなど馬の頭部についている馬具の総称。
だから、僕がもし報道するなら、係員が引っ張った時に馬が反発して頭絡が抜け、コントロールが出来なくなったとする。

噛み砕いて伝えた調教師

ただ、茶木太樹調教師もこのことを分かっているはず。ならばなぜこのコメントをしたのか?
僕は、伝えるメディアは頭絡を知っていても、その先にいるファンは頭絡と言っても何か分からないと思っているからではないかと分析する。
だから、ハミが抜けたという表現をしてそのままメディアが発信している現状なのだろう。
また記事にするが、全てのファンにもっと馬に対する知識をつけて欲しいと願う。

まとめ

ハミが抜けたという表現は、ちょっと違うように思う。その理由として、頭絡が外れかけて…と言い換えることが出来るから。
ただ、そう表現した理由はファンに分かりやすく伝えることが目的だったと思われる。だから、単に間違えているという指摘は野暮かもしれない。
だが、僕はそれでもファンに伝えるならちゃんと伝えるべきだと思うし、分かりやすく伝えることは大事だがそのなかで話が変わってしまえば意味がないようにも思える。

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