厩務員の給料

某地方競馬場の求人が、XのTLに流れてきた。
それをきっかけにして、色んな議論がされていたのだが、僕が感じたことをそのままXでポストすると、なんだか嫌な予感がしたので1本の記事にして公開します。

そもそも知っておかなければならないのは、厩舎から貰える給料+競馬場から貰える手当が手取りになる訳で、貰えるのは給料だけじゃないということ。この「競馬場から貰える手当」は、それこそ担当馬がレースに出たことによる手当とか、レースでの賞金を意味する。厩舎から貰える給料はレース以外の部分でのもの。
給料が安いからこそ多頭数の管理を1人の厩務員がやる。中央競馬だと2頭担当だが、大井以外の地方競馬場になると4頭、5頭担当が普通だ。現場で働く厩務員は1頭あたり、月額4万~5万で見ているだろう。
もし担当馬が4頭いれば、1頭あたり月額4万~5万だとして、給料は16~20万円という計算になる。そこにレースでの手当が入ってくる。

正直な話、預託料が安いから給料が上がらないのだから馬主が払う預託料を上げられたら、厩務員に支払える給料は上がることになる。馬を入れてくれる馬主との交渉が必須だろうけど。
ただ、馬主側も損はしたくない。
基本的に、どんなに走らない馬でも月に2回走れたら持ち出しは無いよ。って状況が、今の地方競馬(場にもよる)だと思われる。
この「どんなに走らない馬」というのがくせ者で、馬主からすれば預託料はほぼかからない訳だから置いておいてもそこまで負担ではない。ただ、現場で世話をするスタッフは走らない馬にリソースを注がなくてはいけない。そして手当に跳ね返ってくる。
「勝てる馬」と「勝てない馬」がいて、あなたはどっちを担当したいですか?と言えば、勝てる馬を担当したほうが稼ぎに繋がる。

だから本音を言えば預託料を上げて、人を雇い、勝てる馬を預託してもらって稼ぐのがベスト。こんな風に上手く行くはずもない。

勝てない馬はザラにいて、そんな馬でも置いておけば預託料は入って馬房は埋まる訳だから生活には困らないよねと。だから預託料も安価です。出走手当2走ぶんでチャラになるくらいです。鉄代と医療費だけ負担してください。月に2万から3万です。
こんな感じなのも実情としてあるわけだ。

もっとドライに判断して、下級条件で近5走着外なら次の馬と入れ替えです。とか出来ればいいけれど、そんな頻繁に馬を入れ替えてくれる馬主なんていない。結局、どこでバランスを取るか?

勝てない馬でも置いておけばカネになるから、という選択肢もある。
だから給料を上げて、出走手当2走ぶんじゃ毎月10万円赤字になります。ならどうするか?勝てば賞金が出るんだから、勝ちを目指すしかない。
でも現実的には勝てない馬もいる。
このあたりの話は本当に難しい。上手くまとめられないのがこの記事。

昔からこの内容に触れているのだけれど、人より動物愛護が重視される今の世の中。
飛行機のペットじゃないけれど、馬を扱う厩務員は馬より待遇が悪い。それが実情だろう。

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