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交響曲1 2024.04.04
マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響(1988年版)
ミッコ・フランク/ベルギー国立管 (2003年版)

エイノユハニ・ラウタヴァーラ 交響曲1番、マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響(1988年版)とミッコ・フランク/ベルギー国立管(2003年版)の2つの演奏。両者の違いは、1988年版は2楽章形式だが、2003年版には第2楽章が追加され3楽章形式となっている。

交響曲1 2024.04.04
マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響(1988年版)
ミッコ・フランク/ベルギー国立管 (2003年版)

1楽章はTimpの打撃よりアメリカンな響きに期待が高まる。重さと虚ろな漂いが交差して付点のリズムがゆったりと流れる。終楽章は軽快なリズムで各楽器が交互に不協和音を交えおどけた調子。全体的にシンプルで厚くならず聴きやすい。後年に追加された2楽章は、静かにゆったり落ち着いた流れにHrnが響くが、新旧混ざった違和感もある。

交響曲2「シンフォニア・インティマ」 2024.04.05
マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響

エイノユハニ・ラウタヴァーラ 交響曲2番「シンフォニア・インティマ」、マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響。怪しげにゆったり冷ややかな出だしが徐々に緊迫、盛り上がりと静けさを繰り返す。2楽章はおどけた感じだが緊張感が持続。3楽章も冷たい静けさが覆い静かに終わる。4楽章はせわし気で激しさが増し混とんとしてくる。

交響曲3 2024.04.05
マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響

エイノユハニ・ラウタヴァーラ 交響曲3番、マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響。森の深淵より聞こえるHrnはブルックナー、鳥のさえずりも聞こえる。TimpとHrnで盛り上がったのち静かに閉じる。2楽章も静けさにHrnと木管のさえずりからゆったり進む。3楽章は活気があり金管で盛り上がる。4楽章はブルックナーのモチーフも再び戻って金管が盛り上げ、最後は冒頭に戻る。

交響曲4「アラベスカータ」 2024.04.05
マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響

エイノユハニ・ラウタヴァーラ 交響曲4番「アラベスカータ」、マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響。4楽章16分余りの曲。無調でピアノも入り、静けさの基調の中に各楽器が突発的に叫び、混とんとしている。Timpはじめ各種Percも活躍する。8曲の中では一番前衛的。

交響曲5 2024.04.05
マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響

エイノユハニ・ラウタヴァーラ 交響曲5番、マックス・ポンマー/ライプツィヒ放送響。1楽章31分ほどの曲。最弱音よりcrescが繰り返される。弦の霧の中より木管のざわめきが徐々に大きくなり、金管やTimpも入り不協和音にテナードラムが響き、不安な緊張感が続く。弦が冷たい空虚さを取り戻し、速度を上げ不協和音で緊張感が高まり、透き通った弦で冷たく終わる。

交響曲6「ヴィンセンティアーナ」 2024.04.07
マックス・ポンマー/ヘルシンキ・フィル

ラウタヴァーラ 交響曲6番「ヴィンセンティアーナ」、ポンマー/ヘルシンキ・フィル。ゴッホの絵画より着想。希薄な透明感がある一方で雄弁になった。1楽章「星降る夜」は19分と長い。ざわめきがPercの強打へとつながる。シンセサイザーの響きが新鮮。弦の爽やかな流れるような旋律が美しい。チャイム、金管、Percで盛り上がって終わる。

交響曲6「ヴィンセンティアーナ」 2024.04.07

マックス・ポンマー/ヘルシンキ・フィル 2楽章「カラス」は、得体の知れないものがうごめきを繰り返す。3楽章「サン=レミ」は、軽快に木管と弦が爽やかに流れ、ラ・ヴァルスを想起させるワルツに一変する。無音の後、シンセサイザーの奇妙な揺れと囁きで終わる。4楽章「神格化」は、虚ろな弦にHrn、木管が次々と現れ金管が北欧的な雄大さを示し、鳥のさえずりで静かに終わる。お気に入りです。

交響曲7「光の天使」 2024.04.07
オスモ・ヴァンスカ/ラハティ響

ラウタヴァーラ 交響曲7番「光の天使」、ヴァンスカ/ラハティ響。随所にシベリウスを感じる。1楽章は弦の繰り返す静かな波にビブラフォンが透明度を高める。後半はシベリウスのよう。2楽章は軽快に不協和音のおどけた調子から騒がしく掛け合う。3楽章は透明でゆったりした弦に木管、Hrnが乗る。4楽章は金管の和音に始まり、弦に木管、Hrnが加わり広々と展開する。

交響曲8「旅」 2024.04.07
オスモ・ヴァンスカ/ラハティ響

ラウタヴァーラ 交響曲8番「旅」、ヴァンスカ/ラハティ響。1楽章は静かに大らか、高弦と低弦、Perc、Hrnがシベリウス的空間を描く。2楽章は早い不協和音で忙しく進む。Tubaがコントラストを付ける。そのまま3楽章に入り、Hrnより始まり静かにゆったりと進み、4楽章は北欧的で茫洋として、弦に木管が細かく絡み、金管も加わって着実に広がり雄大に終わる。

交響曲 2024.04.07

エイノユハニ・ラウタヴァーラ 交響曲8曲を聴いた。フィンランドの作曲家。無調で明確な旋律はなく、希薄な透明感があってゆったりと漂い、神秘的。Perc、シンセサイザー、Hrn、Tubaといった楽器を上手く組み入れ、北欧的な広がり、雰囲気を表現。早く激しい部分もあるが、暗さや劇的性はない。6番以降の曲はお気に入り、特に6番が魅力的です。

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