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交響曲0 2024.05.16
オウェイン・アーウェル・ヒューズ/ケープタウン・フィル

アルフレート・シュニトケ 交響曲0番、オウェイン・アーウェル・ヒューズ/ケープタウン・フィル。学生時代の作品で新古典主義的。冷ややかで硬質、すっきりしており北欧的でもある。2楽章の躍動、3楽章のロシア的哀愁、4楽章の歯切れ良い進撃はショスタコーヴィッチの影響を感じる。10曲の中では馴染みやすくインパクトは大きくないが、お気に入りです。

交響曲1 2024.05.20
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/ソビエト国立文化省響

シュニトケ 交響曲1番、ロジェストヴェンスキー/ソビエト国立文化省響。60分を超える大作。いよいよシュニトケの世界の始まり。鐘の乱打からTrpの曲芸で始まり強烈な印象。Jazzやクラシックの一節も挿入され、多種の楽器が混ざって調和せず狂乱と混沌状態、これが多様式か。奏者が演奏・登場する冒頭部分を見たく動画を探したが見つからなかった。

交響曲2「聖フローリアン」 2024.05.20
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/レニングラード・フィル

シュニトケ 交響曲2番「聖フローリアン」、ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/レニングラード・フィル。こちらも60分弱6楽章の大作。オケに四声と合唱が加わる。ミサ曲と現代音楽の混在、合唱とオケとの音響的混在という多様式。残響が多く、全体にゆったりとして落ち着いており、神秘的で不思議な安らぎもある。

交響曲3 2024.05.21
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/ソビエト国立文化省響

シュニトケ 交響曲3番、ロジェストヴェンスキー/ソビエト国立文化省響。ワーグナーのような低音のうごめきから一定のリズムで盛り上がり電子楽器やピアノも入って徐々に混とんとする。2楽章は清らかさと狂暴性、現代音楽が共存。3楽章は荒々しさに電子楽器、ピアノとオケの響きの混在。4楽章は静かで虚ろ、一旦盛り上がって静かに終わる。引用と現代音楽の多様式。

交響曲4 2024.05.22
ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー/ソビエト国立文化省響

シュニトケ 交響曲4番、ロジェストヴェンスキー/ソビエト国立文化省響。テノール、カウンターテナーと合唱が入り、宗教間の聖歌の対比、混在が示される。チャイムとピアノで静かに始まり同じ調子がずっと続く。全体的に悲観的な雰囲気で、途中、緊迫し狂暴化しそうな場面もある。チャイムが効果的に用いられ、合唱とともに静かに終わる。

交響曲5(合奏協奏曲4番) 2024.05.22
リッカルド・シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管

シュニトケ 交響曲5番(合奏協奏曲4番)、シャイー/ロイヤル・コンセルトヘボウ管。交響曲と合奏協奏曲の交わりが多様式か。1楽章はTrpで派手に始まりObソロが合奏協奏曲の雰囲気を出すが、以降は趣きが変わり、不安と静けさ、狂暴性が繰り返される。シュニトケの作風が凝縮されているようで面白い。オケは上手く硬質でメリハリが効いている。

交響曲6,7,8 2024.05.23
ヴァレリー・ポリャンスキー/ロシア国立響

シュニトケ 交響曲6,7,8番、ヴァレリー・ポリャンスキー/ロシア国立響。いずれも30分前後の曲。この3曲は断片的で勢いがなく陰鬱。6番は全体に力が抜けた感じで少々滑稽なところがある。7番は弦楽合奏、Vnソロから始まり各楽器のソロが多く続く。8番も陰鬱。HrnとTrpの困難な跳躍のソロの旋律が繰り返す。3楽章は長い虚無的な弦楽合奏。

交響曲9 2024.05.23
オウェイン・アーウェル・ヒューズ/ケープタウン・フィル

アルフレート・シュニトケ 交響曲9番、オウェイン・アーウェル・ヒューズ/ケープタウン・フィル。2楽章以降は、判読難解な草稿を忠実に復元したものらしい。弦の落ち着いた雰囲気は寂しく不安定なものとなる。しっかりしたテンポで音階の上下動を基調に進む。2楽章も音階の上下が5拍子で展開。3楽章は趣を変え、他にはなかった早く軽い動き。

交響曲 2024.05.27

シュニトケ 交響曲。曲の長さと難解さに近寄りがたく今までになく聴きとおすのに時間がかかった。時代と音楽、楽器と響き、宗教、静けさと狂暴性の混在、混迷が多様式というスタイルか。一定のリズムに連続と繰り返しで流れるスタイルは共通している。中では新古典的な0番、不思議な静けさを伴う2、4番、縮図的な5番が面白い。好きではないがお気に入りとしよう。

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