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ブラジル風バッハ1-9、ショーロ1-12、交響曲1-12 2021.05.03

 次は、満を持してヴィラ=ロボスを聴こう。以前からいくつか聴いてきたお気に入り。今回はじっくりと、交響曲だけでなくショーロス、ブラジル風バッハも聴いてみよう。曲数も多いので時間かかりそうだけど楽しみ。

ブラジル風バッハ1-9、ショーロ1-12 2021.05.10

ヴィラ=ロボス ブラジル風バッハ1-9番、ショーロ1-12番。改めて聴いて、南米ブラジルの空気というか大衆的、俗世間的な雰囲気を、管弦楽やアンサンブル、ソロ、歌曲で満喫できて楽しい。ラテン系のノリではなく、情熱的な嘆きや悲哀、切ない希望といったものを感じたように思う。Trbの使い方も上手い

ブラジル風バッハ1-9、ショーロ1-12 2021.05.10

 ヴィラ=ロボス、ショーロも8番あたりからはかなり管弦楽曲、新古典的な趣も加わってくる。広大な世界や南米の自然、野性的な風景も感じることができるけれど、ブラジル風バッハや小編成のショーロの方が、ひらめきも多くて面白いようにも思える。これは交響曲にも言えそう。

交響曲1「知られざるもの」 2021.05.12
カール・セント=クレア/シュトゥットガルト放送響

ヴィラ=ロボス 交響曲1番「知られざるもの」、セント=クレア/シュトゥットガルト放送響。ヴィラ=ロボス独特のオーケストレーションによる世界で、新古典的というか映画音楽的な感じもする。中では2楽章がちょっとフランス的な雰囲気もあって面白い。最後は重層的に盛り上がり、BDの打撃で締めくくる。

交響曲2「昇天」 2021.05.12
カール・セント=クレア/シュトゥットガルト放送響

ヴィラ=ロボス 交響曲2番「昇天」、セント=クレア/シュトゥットガルト放送響。ヴィラ=ロボスに共通して、2番も息の長いフレーズの裏で細かな動きが積み重なり盛り上がる。雄大で劇的、ちょっと映画音楽的な優しいメロディーと盛沢山だけどちょっと長い。激しさと穏やかさ、静けさが交互に入り混じる。

交響曲3「戦争」、4「勝利」 2021.05.12
カール・セント=クレア/シュトゥットガルト放送響

ヴィラ=ロボス 交響曲3番「戦争」、4番「勝利」、セント=クレア/シュトゥットガルト放送響。本来、5番「平和」を入れて政府から委嘱の3部作のはずが5番は楽譜喪失。表題どおり社会不安を背景とした悲しさと荒々しさは3番から4番に引き継がれ、最後は勝利の歓喜となる。ラ・マルセイエーズも聞こえる。

交響曲6「ブラジルの山の稜線」、8 2021.05.13
カール・セント=クレア/シュトゥットガルト放送響

ヴィラ=ロボス 交響曲6番「ブラジルの山の稜線」、8番、セント=クレア/シュトゥットガルト放送響。交響曲全体に楽章の緩急のパターンがほぼ同じだけど、6番以降10番を除いて少し新古典的にシンフォニックになり、逆に個々の特徴がはっきりしなくなったように思う。8番は短く凝縮された感じはある。

交響曲7,9 2021.05.13
カール・セント=クレア/シュトゥットガルト放送響

ヴィラ=ロボス 交響曲7番、9番、セント=クレア/シュトゥットガルト放送響。6番以降、なんだか似たような感じ。ブラジル的な感じが薄まって、より器楽的になり、だんだんと曲も短めになって凝縮されたように思う。逆に、奔放な自由さが薄れてしまい、面白さが減ったようにも思える。

交響曲11,12 2021.05.13
カール・セント=クレア/シュトゥットガルト放送響

ヴィラ=ロボス 交響曲11番、12番、セント=クレア/シュトゥットガルト放送響。11番ではより一層新古典主義的な趣になった。劇的な出だしは他曲とも共通、カッコイイ部分もあって最後は盛り上がる。12番では不安な2楽章から3,4楽章で遊びが戻り、最後は総括のように明るく盛り上がって完結する。

交響曲10「アメリンディア」 2021.05.13
カール・セント=クレア/シュトゥットガルト放送響

ヴィラ=ロボス 交響曲10番「アメリンディア」、セント=クレア/シュトゥットガルト放送響。サンパウロ市創立400周年で作曲された5楽章形式のオラトリオで、1時間以上の大曲。春の祭典のような野蛮さ、自由な躍動感や、落ち着いたスケールの大きな合唱、独唱が面白く、開放感があって長く感じさせない。

ブラジル風バッハ1-9、ショーロ1-12、交響曲1-12 2021.05.13

 この1週間ほどで、ヴィラ=ロボス 交響曲12曲はじめ、ブラジル風バッハ9曲、ショーロ12曲を聴いて、ヴィラ=ロボスの世界にどっぷり嵌ってみた。ブラジル風の息の長い旋律に独特のオーケストレーションを組み合わせ、裏で細かなリズムで刻む。日本に共通する哀愁もあり、南米の独自の世界は面白かった。

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