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交響曲1「彼は死なず」 2024.02.08
コンスタンティン・イリエフ/ソフィア・フィル

アレクサンドル・ライチェフ 交響曲1番「彼は死なず」、コンスタンティン・イリエフ/ソフィア・フィル。ブルガリアの作曲家。6楽章40分弱の曲で、男性、女声合唱が主役。第二次大戦後の政治色を感じる力強い曲。ショスタコーヴィッチに似たところもあり、激しさや勇ましさ、輝かしさと、暗い空虚感や時折の安らぎが、感情の抑揚として繰り返し、盛大な合唱で終わる。

交響曲2「新しいプロメテウス」 2024.02.09
エフゲニー・スヴェトラーノフ/ソビエト国立響

アレクサンドル・ライチェフ 交響曲2番「新しいプロメテウス」、エフゲニー・スヴェトラーノフ/ソビエト国立響のライブ。6楽章45分で1番同様政治色を帯びショスタコーヴィッチに似た雰囲気がある。暗く悲痛な出だしから、激しく勇ましく強い曲調が支配するが、時折、穏やかさや素朴さ、透明感を感じる場面もあり、4楽章以降は魅力的。録音は古く問題もあるがオケは上手い。

交響曲3「艱難辛苦」 2024.02.09
ディミタール・マノロフ/ソフィア・フィル

アレクサンドル・ライチェフ 交響曲3番「艱難辛苦」、ディミタール・マノロフ/ソフィア・フィル。作風は現代的となり独自のものとなった。1楽章は一定のリズムに音が重なる。2楽章は寒々しい悲痛な弦、3楽章は15分と長く、パートごとの細かな動きの掛け合いが強化されたリズムにより持続し緊迫感を生む。逆に4楽章は2分弱で弦の空虚な響きで静かに終わる。

交響曲4「弦楽のための交響曲」 2024.02.09
ヴァシル・カザンジェフ/ソフィア・ソロイスツ室内管

アレクサンドル・ライチェフ 交響曲4番「弦楽のための交響曲」、ヴァシル・カザンジェフ/ソフィア・ソロイスツ室内管。2楽章形式で弦楽合奏の非常に冷たく厳しい表現で、最後まで一気に駆け抜ける。ユニゾンの強い打ち込み、時にヒステリックで引っ掻くような叫び、冷たい静けさがある。2楽章はトリッキーなリズムで厳しく攻める。この演奏は上手い。

交響曲5 2024.02.11
ヴァシル・ロロフ/ブルガリア国立放送響

アレクサンドル・ライチェフ 交響曲5番、ヴァシル・ロロフ/ブルガリア国立放送響。クケリという悪霊退散の伝統儀式が題材。Flの不思議な旋律で始まりPercを交えながらソロが交互に進む。2楽章は特徴的で音痴な旋律が繰り返される。3楽章は鳥の動きのような急なリズムと動きに、クケリの鞭、大きなカウベル?の音も入る。全体的に不思議で滑稽な曲。

交響曲6「礼拝」 2024.02.11
ミレン・ナチェフ/ブルガリア国立響

アレクサンドル・ライチェフ 交響曲6番「礼拝」、ミレン・ナチェフ/ブルガリア国立響。Timpより始まり弦の冷たい旋律と透明感のあるざわめきに金管が勇ましく応じる。2楽章はTimpの打撃に急速な上下動が嵐の様相となる。3楽章は15分と曲の半分を占める。静かに寒々しく刻みながら進むが、最後にメゾソプラノの絶叫が3発、このためだけに出演するのも大変だ。

交響曲 2024.02.11

ライチェフ 交響曲6曲。1,2番は戦後の共産主義の政治色を強く感じる。ショスタコーヴィッチの影響も随所にある。3番以降、作風は独自性を高め、暗い曲想ながら陰鬱ではなく、活きたリズムに乗り強いメッセージで緊張感が持続する。聴きやすい曲ではないけれど、新しさや面白さもあってお気に入りです。Youtubeの写真の建造物には異様なインパクトがある。

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