見出し画像

山形の姥神をめぐる冒険 #38

【上ノ山湯之上観音】 上山市十日町  2024年4月

 どう見ても湯上がりのツルツルのお肌、サッパリして満足げな姥神だ。髪だって実に綺麗に後ろに撫でつけられている。手にしているのは死者の衣ならず、手拭いだろう。このお方、絶対三途の川で死者の着物を剥ぎ取ろうなんて思ってない。観音堂の隣には公共浴場があり、時折カッコーンという湯桶の音が響く。昼下がりで桜も咲いて、もう言うことなしのこの世の春である。
いや、もうここは、あの世なのかな?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?