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山形の姥神をめぐる冒険 #34

【熊野神社】 山形市長町 2024年3月

 初めて姥神を自力で見つけてしまった?
 かもしれない…!
 もしやと立ち寄った神社の参道の入り口に、ちょこんと座る石像を見つけて興奮した。由緒を読むと山形城の開祖斯波兼頼が開いた神社で、戦国武将最上義光の家来が篤く信仰したとある。14世紀に遡る歴史を持つ神社なのだった。

 本当に姥神なのか…。姥神めぐりの教科書本、鹿間廣治氏の『奪衣婆』には掲載されていないし、これを姥神とするにはどんな根拠が要るか。

 村社であること、村の守り神的役割の姥神は他にも多くあること、片膝立てたポーズと置かれている場所(神社の入口)が、姥神の特徴のままだということ。
神社の鳥居には「寛政三年」の文字が刻まれている。1792年頃のものだとすれば、この姥神もかなり古く、摩耗が激しいのもわかる。
そして山形城三の丸に近い錦町の姥神(#21)と、姿形が似ている気がする。山形城主とのご縁があるからではないか?
 発見の喜びと推理の興奮に、「姥神であって欲しい」という願望が加わる。もうすっかりウバ沼である。
 改めてお顔を見れば摩耗しすぎてムーミンみたいな可愛らしさである。「そう思えばそうなる」という可変性、曖昧さも民間信仰ではよくあることだという。それならこれを姥神だとしても間違いではないだろう。
 初めまして、ムーミン・ウバ。
 新キャラの登場である。
 ミイとバトルがありそうな予感。


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