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秋の匂い

本当の私はどれなんだろう。

そんなものを考えるのは
きっと昔からの癖なんだと思う。

答えなんて、出ないし
全部どれもわたしなのにね。

周りの人たちは努力している
やりたいことをやっている、すごいと思う。

私は、やりたいことすらも見つからない。
ずっとずっと
もう何年も、呪縛から解放されないでいる。

何をやりたいか、がはっきりすれば
私は変われるはずなのにね。

自分の本音が、自分で分からないから
もう仕方がないのかもしれない。

昔から利口でいたから
自分でも気づかないうちに自分の本音を殺しているし、どれが本音なのか
自分が何を思っているのかも
一人に、孤独にならないと気づけない。

誰かといる幸せを知りたいのに
誰かといると、自分の気持ちがわからなくなる。
一生一人で生きていくのたろうか。

優しい、なんてきっとみんな優しい。
私はただいい子ちゃんなだけ。
私にはもう、何も残っていない。

"やりたい"を押し殺して生きてきたから
もう何も、わからない。

もう何度、変わりたいと嘆いてきたの。
何故ここに来たの、私。

ずっと私に聞いているのに
まだちゃんとした答えはもらえていないね。
いつかわかる日が来るのだろうか。

そんな日が来たら
私は、私をあいせているのだろうか。

空の青が透き通るような日も
耳をなぞる歌声が私を救った日も
風が花を揺らす日も
泣きたくなるような幸せを感じていたい。

せめて、私だけは私を愛していたい。
私だけは、あなたの手を握り締めたい。
抱きしめていてあげたい。

あなたの歌う想いの先が
私であったらいいな、なんてこと
誰にも言えないからここに残すんだよ。

ひとりじゃないけど、ずっと一人で
ずっと一人で、一人じゃなかったりもする。

いつでも投げ出せる命を、まだ置いておけるのは、音楽とそばに居てくれる人達のおかげ
それだけはどうか忘れないでいて。

私は、それでも生きて行かなければいけない。

1000年の孤独に耐えて
来世で、それでも出逢いたいと思える
そんなものを探しているんだ。

湿った空気の奥に
どこか、秋の匂いがする。

カフェの端、誰かの物語の
エキストラC当たりを演じている。

私は、いつ主人公になれるのだろうか。
私は、いつ前に進めるのだろうか。

誰かがもし、見つけてくれたら

私はこんな日々だって
愛せるのかな。

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