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⭐︎⭐︎⭐︎記憶にない詩②⭐︎⭐︎⭐︎

終電のベルに急かされて 僕はあの場所へ還る
鈍色の改札 向こうは僕のいた世界
後る君の目は少し寂しそうだね 大丈夫、一人で征けるよ

“「左様なら。」”

何もない方が良かったなんて一つも思ってないけどさ
今になってはそんな世界も見てみたい気がするよ
変わってしまった僕も憎いし 変われなかった僕も憎い
意味も理由も考えすぎて 見えなくなってしまったよ

元々無茶なことだったんだ 自分の力を見誤ってさ
でももう少しだけ笑ってる君が見たかったんだ

もし僕が君の人生のほんのわずかな時間でも
生きる支えになれてたとしたら それ以上のよろこびはないんだ
ひととき生きてていいと思えた 初めてのことだった
僕ができるのはここまでだったよ
終着駅のアナウンス

君に伝えたかったことは たくさんあったんだけど
心を飛び出せなかったのは昔のままの臆病さ
偽りのない僕を許してくれた、それだけで救われていた
君のいない年月があっという間だったよ

毎日の光を見て、君の隣で座って茫として
ささやかな幸せは、このまま続くと思ってたのに

あぁ僕は本当に、君とこの暗がりの世界を
泣いて怒って、たまに笑って 歩いていこうと思ってたんだよ
溢れる何かを掬う余裕はないや、疲れすぎてしまったかな
最期までわがままでごめんね
ホームには凛と咲くリコリス

互いの声も、温度も 終いには忘れてしまうだろうけど
君が開けた穴は どうやっても埋まらないや

最後のお願いが許されるなら「幸せに生きてね、元気でいてね」

お別れの言葉は、言わないつもりだったんだ
こんな時まで僕は気分屋だよ
君からもらった全部はかけがえのない宝物
リュックには入りきらないや

さぁ、ここからは新しい旅路
車止めも水平線も飛び越えて
君とまた、どこかで。
2023/11/25

あとがき
今回も書いた時の記憶がありません。なんとなく歌詞っぽいのでメロディつけるかと思ったけどそんな暇はありませんでした。自分で評価するとしたらまぁぼちぼちって感じです。状態が悪い時の表面上の心理が現れてるなぁと感じました。
抱えきれなくなったものをどうすることもできないのが私の弱点でして、他人に迷惑はかけられないということで、蒸発するオチが見え見えなんですよね。
失礼極まりないことなんてわかってるはずなんですけどね……

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