【劇評】 告白の閾と「死後の生」──AAPA『敷居またぎ』 (2024年、北千住BUoY)
一度起こった出来事や一度発した言葉が、その後の人生を決定付けることがある。人生の方向性を定めるような出来事や言葉は、後で振り返ればそれが一つの分岐点/敷居となって、人生を「そのこと以前と以後」といった風に分けるような効果を持っている。
メーテルリンクの戯曲『室内(interior)』(1894年)を基にしたAAPAの公演『敷居またぎ』は、複数の敷居──ダンスワークと舞台作品の時間、客席と舞台空間、裏庭と窓、俳優の役と素、生と死など──によって構成されている。舞台空間に設置され