ドリブル 青色の半紙 心の選択 | アート(物語)

 ワールドカップはアルゼンチンの優勝、メッシが勝利に導いた。teamに勝利をもたらす個人の力、ドリブルの力だ。相手の選手を抜き去りゴールに近づき自分に選手を引きつけて味方の選手をフリーにしてアシストする。選手を取り巻く引退の話に、移籍の話、最終的な評価どれも気になって仕方ない。その中でもおかしいのが移籍の話題、本人は引退すると決めているのにどこからかメッシが来てくれるんじゃないかという希望的観測が持ち上がる、メッシのファンにも失礼である。

 椎名林檎の25周年の記念シングルのMVは桜をテーマにする、清水寺の桜をイメージさせる境内の庭に吹く一陣の風は、桜吹雪を映像におさめることができる。林檎さんは和室に星座で座っている。桜の一輪一輪を丁寧に描いた掛け軸が掛かっている。ピンク色が鮮やかだ。ふすまには桜の大木が描かれた枝垂れ桜が目に飛び込んでくる。林檎さんは七色の半紙から青色の半紙を選んで書道の下敷きの上に置く。桜の森に包まれた空間に心を置ける自由な空間を作る。林檎さんは心と対話して筆をとる。

 組織が個人の力で勝利する所がアートとして書かれている。組織と個人の対の物語である。メッシがワールドカップでアルゼンチンを優勝に導く話である。もう一つは桜をテーマにしたMVの話、桜の森に出来る一枚の半紙の空間がアートを作る。心の選択は観る人の未来を広げてくれる。僕は桜といえば道路脇に数キロにわたって植えられた桜のトンネルを思い出す。桜を取材して一輪一輪丁寧に描く日本画家だったらこのトンネルをどう描くだろうと想った。

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