祭囃子が坂道を下り、駅の方向に迂回する道の奥から聞こえて来る。子供達が元気な掛け声を張り合いながら、梅雨が明けて、本格的な夏を迎えた七月下旬、お寺の境内では、露店で購入したりんご飴に舌を真っ赤にしながら遊んでいる。僕は生まれて初めての彼女と手を繋いで、夏模試の祈願も兼ねて訪れた。

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