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RED(1)

 僕も良く覚えていないのだが、高校2年生の朝の通学中でリバーサイドハイツと呼ばれるアパートを横目に見ながら、真面目川の側を学校に向かって歩いていると、お寺の庭先に今日の大切な言葉が書き記してあった。今日学校に行っても取り組むべき課題は無く、ただ授業を受けるだけ、僕の小さい頃からの学校生活は退屈なものであり、それはやがて僕を精神的に追い詰める事になる。そんな不安を感じながら生活していた。

 幻聴がいつもの事で他人モードになって、アメリカの歌手だと言う、

 「どんなCDが出して欲しい?」と僕に尋ねる。

 「血の感じがする、赤い血?」そんな感じがすると答えた、

 「REDね」と声が話した気がした。

 歌手は僕に会いにこないのと言ったが、いつもの事なのでそうだねと返事をして、対話はそれで終わった。僕もその事自体忘れていたが、ある年の年末、カウントダウンを迎えようとしていた。日本のタレントが番組でNYを訪れていたのだけど、テイラースイフトさんがカメラを瞬間的に横切るシーンがあった。

 「もしかしたら制作会社に入社するかもしれない」

 「それでアメリカに行くかもね」と僕は歌手に伝えた。良い加減なものだった。

 僕は、日本の番組のそのワンシーンを見た時に、高校時代に幻聴と話したアメリカの歌手ってテイラースイフトさんの事だったのかなあ?と思った。実際に2000年代にREDと言うアルバムも配信されている。僕にはそんな不思議な事がよく起こる。

 別の話もある、日本のアーティストでその人は僕の中で良い印象を持っていた。これも高校の頃の話で悩みがあると言う。自分の名前が他のネーミングに使用されているからどうしたら良いかと言うものだった。僕は他のネーミングがそんなに有名なら自分の名前を変えるしか無いよと伝えた。

 「私はAIと言う名前なんだけど、最近AI、人工知能が話題なんだよね」

 「私の名前が検索でヒットしないかも」とAIさんがTVで話していた。

 他人は気にも留めないかもしれないけど、僕は日常の些細な幻聴からの情報が目の前で現実に起こる事が気になった。それは僕と関係している事を意味していない。僕とテイラースイフトさんとAIさんは何の関係もないのだ。しかし不思議と対話した内容が記憶に残った、僕はその事に何か意味がある気がして、いつも頭の中にあるので今日記事を書く事になったと思う。別の日本のアーティストさんとの話もあるのだけど、それはもう紹介していたり、まだだったりする。今思うとその事自体、同じ様な事が他人にも起こっていて、不思議な事では無い気がするのだ。

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