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[SS]アジア人外交官の憂鬱

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清朝の終わり、東アジアが近代化を迎えると、私は北京に外交官として赴任した。北京で欧米諸国の中国への植民地化を目の当たりにして、私は日本の国家成立に向けて、明治維新への歩みを見届け…
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#妻との会話

私の頭には妻と過ごした北京の風景があった、妻に話した通り、アヘン戦争が落ち着けば戻れると思っていた。妻も京劇の事が気になって、二人の会話は自然と中国人なら誰でも知っている孫悟空の話になった。妻も猿そっくりに舞台の上を飛び回ってみたいという。私も学生の時に西遊記を読んだ事があった。