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【とりあえず美術館に行きたくなった】アラサー(ほぼ)ニートのプレゼン大会報告①

こんにちは。おり子です。
ここから下11行、きのうのnoteと同じですコピペです正直でえらいでしょ?
せっかちな方は12行目からどうぞ。

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去る8月30日。オンラインプレゼン会に参加してきました。世の中をよくするための難しいあれこれじゃなくて、自分の話したいこと好きなこと普段考えていることをプレゼンする場。なんとなく毎日つまらない人には特におすすめ。熱がすんごいから。

今回は第6回だったそうです。これまでの活動についてはこちら⇓

https://note.com/presentationevt

今回のプレゼンテーマは以下4つ。

1.自分を愛するための言葉
2.美術館は市民のリビング
3.カンタンごはんと命の話
4.別府を愛するbepperになろう

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今日は2コ目、「美術館は市民のリビング」について振り返っていきます。

☆プレゼンターはこの方☆

お名前:ゆかさん
note:誰か教えて
Twitter:誰か教えて

ごめんなさい。お名前で検索してみたのですがnote、Twitterともに見つけられず…。

美術好きな方はもちろん、全然アートに興味ない人にこそ、ゆかさんと話してほしいのに…。ゆかさんを紹介できないこのもどかしさ。く…くやしい…っ

ゆかさんは、学芸員さんです。美術館で働いてらっしゃいます。

がくげいいん。学生の頃から美術の成績は2だったし母からあんたは美的センス0って言われてきたし美術って遠いものと思っていたから、なんだか自分が参加しているのと同じプレゼン大会の場に「美術館の学芸員さん」がいる状況に若干の混乱を感じちゃいました。ていうか、学芸員さんってテレビの中でしか見たことない。一応、私も仕事で美術館や博物館に行ったことあるけど、お客さんを案内してくれてるのが学芸員さんなのかスタッフさんなのかよくわからない(私は以前、旅行関係の仕事をしていて、観光スポットとして美術館へ行きました)。がくげいいん。なんの仕事をしているんだろう?

ゆかさんは笑って、よく「学芸員として働いています」と言うと、絵の前に座ってみているあの方ですかと聞かれるのですが、あれは警備員さんなんです、と話していらっしゃいました。

ほほう!あれは警備員さんなのか!知らなかったぜ。

ゆかさんは続けます。わたしは美術大学で「芸術のマネジメント学」を学んでいました。美大と聞くと絵を学んだりクリエイターを育てる場と思われる方が多いですが、芸術をどう未来へつなぐか、世の中へ伝えるか、クリエイターを支えていくかを考え、そうした役割を担う人を育てる学校でもあるんです。わたしは、美術を人をつなぐ仕事をしたいと思い、アートマネジメントを学び、学芸員になりました。

アートマネジメントなんて学問があるのか。私は歴史が大好きだけど、歴史を好きな人はたぶん少数派で、過去のこと勉強して今の自分たちに何かいいことあるの?って声もよく聞こえる。私は、歴史と人をつなぎたい。これはヒストリーをマネジメントすることになるのか?地元と人をつなぐのは、地元マネジメント?言ってみるのは簡単だけど、歴史も、私の地元も、悲しいことにちょーポピュラーってわけじゃない。たぶん、美術もそうだよね、一部の人は大好きだけど、私みたいな美術を遠いと感じてる人もいる。ゆかさんは、どうやって美術を人をつないでいるんだろう。

ゆかさんが美大生だったころ、世の中では「アートを観光の資源にしよう」という活動が盛んでした。そういえば昔、そうしたニュースをよく聞いた気がする。特に地方の、畑と森がたくさんある場所で。先進気鋭のクリエイターが、廃墟や畑や森を使ってアートにする。そして観光客を呼び込む。私が旅行の仕事をしていたとき、バスの車窓からそうした「アート」のなれの果てをたまに見た。道の駅のようなちゃんと手入れしてある場所にあるアートはきれいだし、トイレ休憩&お買い物のために道の駅に立ち寄ったバス旅行の観光客は喜んでアートと一緒に写真を撮る。でも、ほんとの、ただ町の奥の廃墟につくられたアートは、忘れられていく。ぼろぼろになって、ますます誰も寄り付かなくなる。そうした「かつてアートだったもの」を、私はときたま見かけたわけです。

ゆかさんも、アートを観光の資源にという活動は単発で続いて行かなかった、と話していました。そうした中で、ゆかさんは「継続的にクリエイターを支援するためには、やはり美術館が大切だ」と美術館に就職したそうです。かっこいい。

学芸員さんの仕事は、「作品の収集・保存補完修復・展示・調査研究」の4つの役割を回していくことが基本。

作品を収集して、調査して、価値を見つけて、展示することによって有名じゃなかった作家さんに価値が付き価値が高まる。これまでに評価されてきた作品を未来につなげることができる。クリエイターを継続的に支えられる。

ゆかさんは、その学芸員さんの基本は変わらないけれど、美術館の役割は変わってきている、と話します。

今までは「美しいものはこれだ」と美術の定義を決め、美術館から市民へ、「上から下」のような形で美術についての発信が行われていた、とゆかさんは言います。うんうん、わかる。私も美術館ってなんか行きにくいと思ってた。お金持ちが行くところっていうか、美的センスがずば抜けてる色白で髪の長い女の人とか、スーツでバシっと決めたジェントルマンが行くところって感じで、私みたいな基本「雑」な人は場違いっていうか。楽しみ方もよくわからんし。

でも今は、美術館は「上」ではなく、市民と「同じ」立ち位置にあり、市民に開かれている場になった、とゆかさんは語ります。

現代の美術館は、市民のリビングルームの役割を担うようになりました。街に溶け込み、街の動線を活かして人々が入りやすい造りになっていて、みんながいろんなところから集まります。体験型の展示が増え、触ることができたり、自分が加わることで作品が完成するものもあります。オンライン系の展示も増えているし、3Dで見れる作品もあるんです。好きなスタイルで好きな作家さんの作品を楽しむことができるようになっています。子どものためのスペースを設けた美術館もどんどん増えているんですよ。

学芸員は、イベントの企画も行います。イベントを通して新しい価値を見せていく。対話を促すような場所をつくる。それも、人と美術をつなぐことにつながります。

イベントは、周年事業や経済、文化事業などの大人の事情で企画されるときもありますが、美術館の思いによるイベントもあります。ぜひ、美術館主導で行われているイベントに参加してほしいです!学校やNPO法人と展示や企画を行うこともあり、子供たちや地域の人たちへ美術をつないでいます。

美術館は市民の憩いの場になっています。ぜひ、美術館に遊びにきてほしいです。

美術館に遊びに来てほしい。「遊びに来て」だって。そんなにフラットなのか、私があんなに遠いと思っていた場所は。

美術が、市民に開かれたものになって、市民のために何ができるか、楽しんでもらうために、未来へ繋げるために、対話をしてもらい考えてもらうために立ち位置を変えたことは、他のジャンルでもヒントになるんじゃないかな。

私は歴史資源と観光業界の保護に携わりたくて、そのためにはやっぱり興味を持ってもらって、考えてもらうことが一番最初のとっかかりなわけで、興味をもって考えようと思ってもらうためには、「歴史って楽しいね」「観光って楽しいね」って気持ちがないと無理だよね。歴史とか観光がなくなっても困らない人にとっては、考える必要ないもの。「あんなに楽しいものがなくなっちゃうのは嫌だ!」って思ってもらえたらバンバンザイだよね。

美術館はそのために、いろんなイベントを企画して、その一方で調査や保護活動もして。自分たちが「大切だ」って思ったものを未来につなげるための努力を続けているんだな。

遠いと思っていた美術は、ふらっと遊びにいけるほど近いものだった。

ほかの、遠いと思い込んでいるものも、実は近いのかも。

私が、みんなは遠いと思ってるんだろうなと感じているのも、もっともっと近いものになれるのかも。

とりあえず、市立美術館、行こうかな。


このプレゼン大会には感想シェアタイムがありまして。その時間に出た感想をちょろっとまとめますね。

「美術なんて興味なかった自分でも行きやすそうって思った」

「海外と日本の美術館の違いも気になる」

「有名じゃない人の発掘や、美術品の価値の決め方が気になる」

「学芸員さんが思う美術館の楽しみ方ってあるのかな」

「初心者におすすめの美術館はどこだろう」

「最近の美術館はメッセージ性が強いですよね。自分がこの前行った美術館では、環境問題がテーマになっていて、リサイクル品で作品が展示されていて、興味や知的関心を強まりました。帰りに友達と環境問題について話し込んじゃいました」

「作り手側だけでなく、美術館が好きな人や美術を支えている人の話をもっと聞いてみたいと思った」

みなさんも、美術館に遊びに行ってみませんか。