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TABIPPO学生支部活動 完

2023年3月11日19時50分。


BackpackFESTAの最後のコンテンツが終わる。代表挨拶の一言一言にこの2年間を馳せていた。


自然と目からは涙が出かかっていた。でも、僕は最後のロビーでの仕事が残っていた。だから、ぐっと堪えて、ロビーに戻った。



最後の僕の仕事、それはお客さんを安全に会場外に誘導すること。
そして、最後の最後まで細部にこだわって、お客さんに「明日、旅に出てもらう」こと。


ホール内からロビーへ人が流れ込んでくるのが見えた。
その人たちの顔には、希望と笑顔が満ち溢れていた。

そんなお客さんの顔を見ながら、混雑しないように必死に声を張り上げて、誘導したのを覚えている。


ホールからロビーへの誘導がある程度落ち着いて、今度は、ロビーが混雑しはじめた。

スタッフとお客さんがとても笑顔で話していた。DREAM出場者もロビーに来て、たくさんの人が思い思いに、BackpackFESTAの最後の時間を過ごしていた。




「ああ、やり切った。2年間の学生支部生活が終わった。」
そんなことは思う暇もなく、最後の1人のお客さんまで見届けて、片付けをしていた。




僕は、2年間追い続けたロビーは作れただろうか

僕は、この2年間、TABIPPO学生支部をやってよかっただろうか




答えはイエスだ。




だからこそ、今まで振り返ろうとしても何も出てこなかったのだろう。本当にやり切って、文字にすることも何も思い浮かばなかった。
ここまで完全燃焼で抜け殻になるのも初めてくらいだった。




BackpackFESTA当日。

舞台開演前のロビーは、同じ思い持った者同士が交わり、出会う場所となっていた。まるで、神様がいたずらしたかのように、いろんなところでそこでしか起きない奇跡が起きていた。

あるところでは、1人で来たお客さんが他のお客さんと仲良くなって、ヒッチハイクに行く約束をしていた。
あるところでは、過去スタッフ同士が久しぶりの再会を果たし、思い出話に花を咲かせ、今度会う約束をしていた。
またあるところでは、DREAM出場者がBackpackFESTA参加者と交流し、旅に対する思いをぶつけ合っていた。
他にも、旅に興味ない人が民族衣装のブースで衣装を着て、アジアのスパイスをかげるブースでアジアの匂いを感じていた。
また、自分にあう東南アジアの国を知ったり、東南アジアについて知識を深めていた。


人間の五感の全てを使って、旅というものをお客さんに表現した。

そしてあらゆるところで、旅に出たいと思う人が急増した。





僕が求めていたBackpack FESTAのロビーの姿はこれだ。




ロビーとは、Backpack FESTAで唯一、お客さんが主体的に参加者とスタッフと交流できる場所。
本物の出会い、人生で必要な人との出会いは、ロビーでこそ生まれる。


だからこそ、僕は、1人で完結するコンテンツではなく、2人以上が関わらないと完結しないものを目指していた。




僕は、コンテンツを作る立場ではない。あくまでも、メンバーが考えたコンテンツを俯瞰的に見る立場。だから、どんなコンテンツができるかは未知数だった。
しかし、メンバーはロビーの可能性、ロビーでできることをきちんと理解し、ロビーの良さを最大限に活かしたコンテンツを作って、自分たちの手で、口で、体験談で旅を広めた。


その結果、各所から「自分の友達が今度、〜〜に旅に行くんだって!」という声をたくさん聞いた。


僕は、2年間を通して、そんな可能性のあるロビーを追い続けた。多分、1年目だけだったら、ロビーの可能性には気づけなかったし、2年目だけだったら、こんなにいいコンテンツを作ることもできなかった。

だからこそ、BackpackFESTA 2023 で作ったコンテンツこそが僕の2年間の本当の集大成だ。集大成に相応しいものになった。(僕が作ったわけではないけど笑)



去年の悔しい思い、きつかった出来事。そんな過去を超え、今年、このBackpackFESTAで1人でも多くの人に旅を伝えることができた。

舞台、ロビー、装飾、マーケティング、総務
全てのチームが全力を出し切った結果、このBackpackFESTAを開催することができた。


今年も今年で悔しい思いや、実力不足はたくさん感じた。しかし、それは僕の今後に活かしていく。




このTABIPPO学生支部での2年間の経験は、確実に僕の今後の人生に大きな大きな大きすぎる一石を投じてくれた。





僕の人生を変えてくれて、狂わせてくれてありがとう。
そして、2年間、僕を受け入れてくれてありがとう。
いつか、必ず成長して、恩返しができるようにするよ。



TABIPPO学生支部。そして、学生支部のみんな。
心の底からのありがとう。


ここから少しでも旅が広まりますように。


旅で世界を、もっと素敵に。



2023年04月23日 佐藤 柊


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