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「マイクロツーリズム×ワーケーション」をどう実現するか【オンラインイベント】

こんにちは!TABIPPOイベントチームです。

今回はオンラインセミナー「マイクロツーリズム×ワーケーションをどう実現するか」の様子をレポートします。ゲストはANAホールディングスの野島祐樹さん、ファシリテーターはTABIPPOコミュニティマネージャーの恩田倫孝さんと石川文太さんです。

主にTABIPPOのお二人が野島さんに質問を投げかけるような形でイベントは進みました。

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上段左:恩田、上段右:石川、下段中央:野島さん

そもそもマイクロツーリズム・ワーケーションって?

マイクロツーリズム....自宅から1~2時間圏内の地元や近隣への旅行のことを指します。現代のように交通手段が便利になる前は、日本の旅行の主流だったようです。長期化も予想されるコロナ禍で、星野リゾート代表の星野さんが提唱したことでも注目を集めています。
ワーケーション...ワーク(労働)×バケーション(休暇)を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地で休暇を取りながらリモートワークをする働き方のことです。こちらも新たな日常の一つとして期待されています。

Q ANA野島さんは普段どんなお仕事をされている?

主に「旅を通じた関係人口の拡大」を目的にお仕事をされているそうです。関係人口とは単に観光で訪れる人やすでに定住している人ではなく、より地域と多様に関わる人たちのこと。

関係人口を増やすことで地域の活性化や新しい旅のカタチを作りたい、との思いで日々お仕事をされているそうです。航空業のイメージが強かったためか、恩田さんも「ANAにそのような部署があるとは知らなかった!」と驚いていました。

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※野島さんの明るいキャラクターや背景?が印象的でした。


Qこれから人の移動はどうなっていく?

人を移動させる航空業をメインとされているANA。これからの人の移動はどのようになっていくのでしょうか?

現在の日本の課題として、都市に人口が一極集中することで地域の過疎化が進み、将来住む場所や働く場所が失われることが挙げられています。一方テクノロジーの進化によって、多拠点生活や複数地域で働く生活をすることがトレンドになってくるそうです。

そんな中で注目したのが「旅を通じた関係人口を拡大すること」でした。地域に実際に多くの人に訪れてもらい、地域を活性化させていくことを目指しているそうです。

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Q関係人口の創出はどう実現させていく?

では実際に関係人口をどのように増やしていこうと考えているのでしょうか?大事なことは「気軽さ、経済負担、過ごすこと、住む理由」の4つだと野島さんは語ります。マイクロツーリズムを実践しつつ、多拠点生活やリモートワーク、第二のふるさと作りを後押しすることが大事だと考えているそうです。

関係人口とは数ではなく深さ。ただの観光ではなく、その地域のために何ができるかを見据えて、様々な取り組みも実施されています。

ANAでは、1~2年後を目処に「定額型航空券」によって気軽に行ける仕組みの実証実験をおこなったり、実際に定額で住み放題のサービスを提供しているHafHと提携する取り組みをおこなっています。これには参加していた方からも、zoomチャットで期待の声が多く上がっていました。


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この秋は長崎五島へ。毎月定額でワーケーション体験。ANAに月3万円で4回搭乗可能なサービスをHafHといっしょに。HafH会員限定で募集開始。
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HafHとは?
https://www.hafh.com/


Qぶっちゃけ航空業界って今どうですか?

イベントも後半に差し掛かったところで、ファシリテーターの恩田さんが切り込みます。「コロナの感染が拡大してからの航空業界ってぶっちゃけどうですか?」という質問。

野島さんはこれに対して「正直相当やばいです」とお答えしてくれました。ANAは特に航空業が軸となっていたので、やはりダメージを受けているとのこと。

現在はお仕事が少ない客室乗務員や、空港スタッフの方をどう活かすかも含めて新規事業を模索されているそうです。

Q観光業界はどうなる?

これから観光はどうなっていくのか?という議論の中で、TABIPPOの恩田さんと石川さん、野島さんの意見が揃ったのはこれまで以上に「人」が大事になってくるというお話でした。お仕事などで様々な地域を旅されているお三方ですが、どの旅も印象に残っているのは人との出会いだと言います。

観光地だけでなく、現地の方との触れ合いの中で地域の魅力がより深まったり、また会いに訪れたくなるとも言っていました。それこそがこれからの観光において重要になってくるかもしれません。

野島さんは仕事柄よく地域に行かれるそうですが、必ずスナックに寄るそうです。スナックにはネットで書かれていないような現地の面白い方やディープな情報がたくさん集まってくるそう。

これには恩田さんと石川さんも「なるほど!」と勉強になった様子。恩田さんの場合はまずゲストハウスに訪れて、情報を集めるそうです。地域に根ざしたお店や宿に行き、情報収集するのも旅の楽しみ方の一つですね。

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Qこれからの構想は?

野島さんは「地域副業」をこれからはスタンダードにしたい。つまりワーケーションのように現地に行き他の仕事をするのではなく、地域の農業などのお仕事を手伝う仕組みを作りたいそうです。

例えば野島さんの故郷では、将来的に現在の人口の6割ほどになると言われているそうです。これは住む家に置き換えてみると、自宅の隣の隣の家には誰も住んでいないことになります。そう考えた時に、大変な危機感を覚えたそうです。

地域で実際に経済が動き、地域の人との素敵な関係性ができること。そんな世界を実現したいとのことでした。もしかすると、次の世代の新たな旅の形になるかもしれません。


Q野島さんがこれから実現したい世界とは?

最後に大事なことは教育だと思う。幼少期に「人よりも特異な点がある」ことでいじめられた経験があるそう。関係人口を増やすことは、いじめや虐待を解決する手段になり得ると野島さんは考えます。

例えばワーケーションで働きに来た人がアーティストであれば、そのいじめられた子の特殊な才能を褒めてくれるかもしれない。そうするとその子には、学校以外の逃げ場、居場所ができるんです。

狭い地域においては少数派でも、広い世界で見ればそうではないかもしれない。新たな観光や働きかたの形を実現させる上で、それが子供の教育にどのような影響を与えるのかはとても大事な要素、と語ってくれました。
イベント全体を通して明るく、まっすぐに話されている姿が印象的でした。野島さん、ありがとうございました!

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https://community.camp-fire.jp/projects/view/310615

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