祈り

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どんな人にも子供の頃にとても心に残った言葉があると思います。
私は谷川俊太郎の詩です。この詩の入った詩集『二十億光年の孤独』は1952 年に刊行されています。1960~70年代は公害問題が大きな社会問題でした。
いのちを大切にしない社会問題は今でも多くあります。もう一度心を込めて行動したいです。

「祈り」 谷川俊太郎 

一つの大きな主張が
無限の時の突端に始まり
今もそれが続いているのに

僕等は無数の提案をもって
その主張にむかおうとする
(ああ 傲慢すぎる ホモ・サピエンス 傲慢すぎる)

主張の解明のためにこそ
僕等は学んできたのではなかったのか
主張の歓喜のためにこそ
僕等は営んできたのではなかったのか

稚い僕の心に
(こわれかけた複雑な機械の鋲の一つ)
今は祈りのみが信じられる
(宇宙の中の無限小から
宇宙の中の無限大への)

人々の祈りの部分がもっとつよくあるように
人々が地球のさびしさをもっとひしひし感じるように
ねむりのまえに僕は祈ろう

(ところはすべて地球の一点だし
みんなはすべて人間のひとり)
さびしさをたえて僕は祈ろう

一つの大きな主張が
無限の時の突端に始まり
今もなお続いている
そして
一つの小さな祈りは
暗くて巨きな時の中に
かすかながらもしっかりと燃え続けようと
今 炎をあげる


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