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子育て罰

末冨芳 × 桜井啓太  光文社新書 2021.7

子どもと親にやさしくあたたかい「子ども天国」を日本で実現させるべく、子どもの貧困対策の活動や執筆に日々没頭されている末冨芳さん。

この本はエッセンシャルマネジメントスクールでご縁のあった、小樽市立朝里中学校校長の森万喜子さんがお勧めされていたので読みました。
森万喜子さんの言葉です。
「末富先生の厳しく真実を突く言葉は最高に優しい。そして、この国の子どもをめぐる政策の残念さが身にしみます。子どもがいる人もそうじゃない人も、教育関係者もそうじゃない人も、是非読んでいただきたい」

この本の中で、強く共感した部分を引用します。
「私の解は、子どもを迎え入れる前に、大人自身が自分を社会に迎え入れられるべき存在として大切に思うことから始める、ということです。経済市場主義によって「荒廃国」となってしまった現代社会に、信頼と愛と思いやりを取り戻すために、いま私たちは「あなたは一体何者なのですか」とお互いに問いかけ合うことが必要とされているのです。
そして、その問いかけへの答えが、これです。

 私もあなたも子どもも、幸福になるべき大切な存在なのです。

子どもと子育てする親に冷たく厳しい日本を治療するためには、子どもや親を大切にしてリスクを社会で分かち合う、といったレベルの掛け声では不十分です。1世紀半かけて世界を支配してきた経済至上主義、「自立イデオロギー」の呪いはそこまで深いものです。だからこそ、大人の側がその呪いを自覚し、解き、自分を幸せになるべき存在だと考えるところから立て直さなければなりません。それが「子育て罰」の治療法だと私は考えます。」

桜井啓太さんとの対談部分では現状がより具体的にわかります。

私は、経済至上主義が意識にしっかりと入ってしまっていること、呪いにかかっていることを各自が気づいて、解いていただいきたくて新井和宏さんの『あたらしいお金の教科書』の読書会を続けていこうと思っています。

同様のことを思っている人は多いので、繋がっていきたいです。

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