本質行動学とは

本質行動学は西條剛央さんが行われている学問です。
では、物事の本質を問うことで何をしたいか。

【本質とは何か】
それをそれとたらしめているような、その事柄の重要なポイント。言葉で表すことができる。
本質は絶対的な真理ではない。なぜなら、言葉で出来ているから。

【本質観取】
言葉は自分の経験の積み重ねで出来ている。
言葉は自分の判断や行動を担っている重要なものである。
複数の人達で本質観取すると、自分の思考の偏りに気が付く。
やがて、自分が世界だと思っている物事はこんなにも奥があったのかと気づく。
気づいたことにより、自分の判断や行動が深化する

例えば、人間の成長とは何かについて本質観取を行った結果、このような言葉になりました。
「人間の成長とは、その時々の環境や状況によって求められる理想に向かって、教育や経験を通じて変化すること。自分の本質に近づくと喜びを感じる。」
どのように思われますか。

物事の本質を問うことで何をしたいか。
本質を問うことで共通了解が得られます。
そのことで信念対立の解消を目指すことができます。
複数の価値観が対立せずに並ぶことができたら世界はどのようになるでしょう。

価値はその時々で立ち現れるものです。
また、絶対的な方法は無いのですが、方法にのみ忠実でいつの間にか手段が目的化することがあります。常にメタな視点でみて、調整することが必要です。
例えばお金は手段でしょうか、目的でしょうか。

西條さんの著書「チームの力: 構造構成主義による”新”組織論 」(ちくま新書)には以下のような原理が書かれています。

【方法の原理】
方法は、目的と状況によって変わる。
これさえやればいい、という絶対的な方法はない。

【価値の原理】
価値は、欲望・目的・関心に応じて立ち現れる。
自分の関心はなかなか捉えられない。

【人間の原理】
全ての人間は自らを肯定されたい、肯定したいと望んでいる。そのため、多様な意見を安心して言える場として、肯定ファーストを基本とする。

また、P・F・ドラッカーは本質行動学の祖とも言える方です。
残されている多くの著作には、ドラッカーが目指した、全ての人に位置と役割がある、自由で機能する社会に向けての原理原則が示されています。

その一つを『非営利組織の経営』より引用します
「第一に問うべきは、機会は何か、ニーズは何かである。
第二に問うべきは、それはわれわれ向きの機会かである。われわれならばよい仕事ができるかである。われわれは卓越しているか、われわれの強みに合っているかである。
第三に問うべきは、心底価値を信じているかである。このことは物についてもサービスについてもいえる。
非営利組織には、機会、卓越性、コミットメントの三本柱が不可欠である。ミッションにはこれら三つの要素を折り込まなければならない。」

この言葉は非営利組織に限らず、個人のセルフマネジメントにも通じると考えられます。


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