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子ども虐待事例から学ぶ統合的アプローチ 千賀則史+定森恭司 2022.04

この本の副題はホロニカル・アプローチによる心理社会的支援。
「一人の子どもの問題はみんなの問題」として「新しい文化の共創」に向かう“こころ”の捉え方を考えることができる内容です。

高度に科学が発達した現代は一人の人が答えを用意することはなくて、それぞれの人がそれぞれの部分を担いながら共に繋がって、社会を一歩ずつよりよいものにすべく日々を営んでいます。

対話は「共同研究的協働作業」であり、「共に人生の傷負い人としてより豊かな人生を求めて歩んでいく“こころ”」をお互いに感じ取る時間ではないでしょうか。

以下、本文から2箇所、引用します。

「今日の日本では“こころ”の捉え方は欧米化したといえるが、それでも日本人の心底には、古来の日本的な“こころ”の捉え方があると思われる。ホロニカル・アプローチでは、観察対象をしっかりと観察しようとする意識の主体の確立が重要であると考えると同時に、すべてをあるがままに感じる観察主体を観察対象とが「一」となるような実感を大切にしている。」

「ホロニカル・アプローチの見立ての特徴
1.静的というより動的。
2.見立ててから支援方法を選択するのではなく、見立てながら支援方法を臨機応変に変えていくなど、見立てと支援方法が常に一体的。
3.支援者が場の影響などをノイズとして排除し、当事者自身が抱える問題を見立てる因果論的視点からの見立てではなく、支援者や場の影響を含む複雑な現象をできるだけそのままに見立てる。」


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