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日常的郷愁メドレー(歌詞まとめ)

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早いとこ曲をつけてあげたい
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2023年11月の記事一覧

[終雪雫(ついゆきしずく)]

長い恋もあった 短い愛もあった 手のひらには今 何も無い 深い混ざりを泳いだ 浅い淀みに立った 小さな漆塗は 空っぽのまま 「辛いときにはおいで」と 言ってくれた言葉は 永遠にも似た一瞬の 終雪雫 聡いあなたを知ってから 愚かな僕の身体には 凍てついていた罅が 痛みとなった 赭、木賊に交わる 暗闇の時間を 永遠にも似せて 綴じてくれたなら 凍てついていた罅は 痛みとなった 永遠にも似た一瞬の 終雪雫 長い恋もあった 短い愛もあった 手のひらには今 終雪雫

[置き土産]

疲れ切った体投げ出して、睥睨 昨日までそこには何も無かったんだろ まるで遺体は隠してある、ような顔で 今を奪われたとでも言いたいんだろ 最大のエロティックは言葉に宿るのだから つまり誰も彼も言わなければいいことだ そう気づいた 殊 口に生まれた俺は シンボライズを手懐けるほど殊勝にもなく 嘆く 叫ぶ 時に 愛しいことは殺意の手腕と思う 意地を張り当てる時に 思えばその顔 薄れゆけ そうさ あんたは完璧だ 殺してやりたいよ そうね あんたは終点だ だから今 行先を迷ってる

[優煙家]

僕は全然嗜まないが 10年やってるようにハマった リンと煙がむせて返って 甘ったるさがほろ苦い 実は絶対見せられないが 生まれてはじめて見つけたんだ 懐かしいつぶて 元に灯り 灰の色した金縛り だけど黙り込んだら 咳き込んでしまうから どうして?全部、信じてほしいのに 口を離れたら溶けてゆく もっと見してよ もっと見してよ もっと 物は一個も試してないが 音が響いて教えてくれた 君が一本分けてくれた 意味がちょっとだけ分かった 実は絶対見せられないが 生まれたまま

[アボカドの季節]

「へぇ、アボカドって、色んな季節に収穫されるんだ」 「そうなんです」 みかんとりんごを並べておいて 冬のこたつに みかんだよな みかんとりんごを並べておいて どっちも結局 美味しいんだな 21世紀のニュートン力学 アボカドみたいに甘くまろやか にわか 足元に落ちてこっちを見てる だけど僕は未だにさわれないでいる 悲しい金縛りなんて知らない 風が流れてゆく方なんて見てない 変わることを怖がる暇などなくて だけど僕は二の足を踏んで仕方ない 凍える季節なんて知らない、そんな

[結びの島]

これから話す言葉は アンタと会うより ずっと前 結びの島 青空と曇天を 海辺と山際を 船出の卵の親鳥は 高い高いと東を示す あの頃 僕は何を知っていて 頂きを盲信 目指したのだろう トタンの威容が 僕の都市 もし見下ろせたなら鳳の形 荒城は月を浮かべて 一体最初に何があった 何が起こったのかと 呼び起こす 思わせぶりだ 永遠に愛する人よ アンタと会うより ずっと前 結びの島 誕生と出発と 祝祭と送り人 アンタのことは問われても 島の誰にも教えない きっと食われてし

[タラちゃんの歌]

遊びに行こうよ 休みに行こうよ 君が物足りなくなっているもの 扉 叩いて さあ行こう 急すぎた別れが 風見鶏を曲げてしまうように 本当 言えばよかったなって 壁を殴るけど 日々交わした言葉が それぞれの織り重なりだから 一番満たされてるはずだよ 限りある世界で 今 焦らず行こうよ 優しく洗うよ 風が 一人目掛けて 吹き抜ける時は 誰かの仕業だね 君が悩んでること 隣で励ましてた秋の夜長 記憶として どこに浮かんでる? 少し寂しいけど 懐かしい歌を 不意に口ずさんでる

[終わった人へ]

初めのことから始めないかな 今生だ でなきゃ眠ってしまう すずりに硯でスズリを描くの 飛んで火にいるのも 結構だがね 棺のつもりの手乗りの箱の カニさん しぶとく生きている 吊るし上げろ、と振り上げている 呆れた僕が知っている 駒ヶ岳 一足先に 雪化粧 ひいふうみいで ハイそこまで 一つ戻ってまろび出る だるま落としに磨きがかかる 死人に口あり 一段残る 違うと言えば簡単だ 同じといえば簡単だ 一眼もない一眼を手に 一眼生み出せ 臆病者 疑わしい初めのことを 今日も