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「旅行会社を起業したい!」→「家賃対策としてカフェもやろう」

【大きな街の小さなカフェ 第一章】

●オンライン全盛の時代だからこそ、実店舗のある店は信用される。

「練馬で旅行会社を始めたい!」というわけで、夫は旅行業に必要な資格や届け出、株式会社の作り方などの調査に乗り出し始めた。

しかし、旅行に関連した商品、たとえば航空券や列車のチケット、ホテル予約やサービスは、オンラインでの売買が比較的簡単な商品。全部自分で手配してしまう人も多いし、商機はあるのだろうか?

「旅行業はネットと親和性が高いからね。旅行会社だって、航空券もホテルもネットを通じて仕入れ手配するし」
「自宅で、パソコン1台で旅行業をやってる人もいるくらいだからね」

 えっそうなの? お客様とはメールでやり取りして、自宅でパソコン1台で仕事できる。そんな低リスクで始められるのなら、なぜ事務所がいる? 自宅でええやん。事務所を借りると家賃やら光熱費やら…固定費が月々かかるしリスクが大きい。そして誰も旅行の相談に来なかったら…? おお怖! 怖いわ。

「もう少し広い、駅近のマンションに引っ越して、そこを住居兼事務所にして始めるというのは? 一部屋を応接室にして、来客対応して。家賃は住居も兼ねてるから、無駄にはならんし。軌道にのったら別に事務所を借りればいいし」

「う~ん、うちは子どももまだ小さいし、あんまり家と会社を一緒にしたくないなあ。あとさ、やっぱり、このネット時代だからこそ「実店舗がある」ことに安心感や信頼感が生まれるんだよ。事務所があれば、ちゃんと実存していますよ、っていう証拠になるじゃない? サギじゃないよね、っていう安心感」

なるほど…。そういう一面もあるか。
不安や疑問が浮かんでは夫に投げかけ、それについて夫が反論する、説得する、というやり取りを何度も繰り返し、私もじわじわ「最初は実店舗があった方が信用度になるかな。イメージ良いかな」と考えるようになってきた。

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