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【私と旅 #3】高橋香織(かおり)

「私と旅」シリーズ第3弾。POOLO1期生の仲間である、高橋香織さん(以下、かおり)。

都内の企業で新規事業の立ち上げに携わるかおり。私たちが彼女のトラベルライフスタイルに興味を持ったのは、彼女が既婚者でありながら自由に旅をしているから。

1年のうちほぼ毎月のように旅をしている彼女。しかも、旦那さんとだけでなく、友達との旅行やひとり旅を楽しんでいる。

女性にとって、旅と結婚の両立は悩みの1つ。今回は、旅と結婚を自分らしく楽しんでいる旅好きオトナ女子である彼女から、両立させるためのメソッドをこっそり教えてもらった。

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1.旅は癒し

旅写真_200702_0007 (1)

彼女にとって旅とは
「癒し」
忙しい毎日から非日常にいざなってくれる、ひと時の逃避に近い。

その言葉の通り、彼女の旅には緑と海がつきもの。

海に入ってはしゃぐわけでもなく、ただただ波の音を聞きながらゆったりと流れる時間を堪能するのが彼女の旅。

国内はすでに40都道府県を制覇して、中でもお気に入りの場所が北海道。

なぜ北海道が一番好きなのかと聞くと、
「自然がたくさんあって、人が優しいから」

旅先の魅力を聞けば、一言目には必ず「自然」という言葉が出てくるから、彼女にとって旅先を選ぶ基準はどうしたって「自然」が優先されるらしい。

そんな彼女だからこそ、1番最初に行った海外の国がオーストラリアであったことにも納得がいく。

高校2年生の時に、ホームステイをしたのがオーストラリアだった。

当時は日本での環境との大きな違いに戸惑う事が多く、困惑した記憶ばかりが残っていると笑いながら語ってくれたかおり。

「お昼ごはんに、ホームステイ先のお母さんが作ったピザ用チーズとハムの入ったサンドイッチを毎日食べていて辛かった。笑」

それでも、自分の世界を広げるために、たった16,7歳の女の子が親元を離れて一人で1週間もホームステイをしたのだから、彼女にとってオーストラリアで得たものは大きかったのだろう。

「ホームステイに行こうと思ったのは、世界を広げたかったから。
日本にいるだけでは、世界が狭いと思っていた。
常識を重んじすぎる日本の文化が少し窮屈だった。
形式ばった毎日が嫌で、海外の文化に触れればそういった日常を崩せると思った。」

大学生になってからは、地方創生に興味を持ち、大学3年生の時にシンガポール・マレーシアを海外の地域政策を学ぶために訪れた。

大学4年生の時には、はじめての海外ひとり旅でベトナムを縦断した。

「両親から海外のひとり旅は危ないからと反対されていた。
でも、国内でひとり旅をして実績を作って説得して、大好きな”水曜どうでしょう”みたいなベトナム縦断ひとり旅を決行する事ができた。」

日本からホーチミン行のチケットと、ハノイ から日本へ帰るチケットだけ予約して、その日泊まる宿さえ現地で調達した自由気ままな旅。

「ひとり旅の魅力は、居たい場所に自由に滞在できるところ。
人と一緒にいる旅は、どうしたって予定を立てないといけない。
自由気ままに好きなところに行けるから、ひとり旅も好き。」

ベトナムでの移動は、もっぱらローカルバス。
現地に日本語をしゃべれる人もちらほらいたと彼女は語るが、ベトナムにひとり旅経験がある私からすれば、ベトナムのローカルバスはかなりカオスだ。

私が行った2,3年前でも、英語の表記すらなく、観光客もほぼほぼ利用していなかったのがベトナムのローカルバス。

そんな、ローカルバスを使って、10年も前に深夜に移動したというのだから、相当肝が据わっている。

若さもあったのだろうが、負けず嫌いな彼女の性格を物語っているような旅だ。

「今思えば自分でも、すごいなー。と思う。」

かおり_ベトナム_ハロン湾


また同じような旅がしたいかと聞く と、

「今は行きたい場所がたくさんあるから、当時のようにその日に行き場所を決めるような、気ままな旅はしないかも。
今までメジャーな観光地には行ってこなかったから、仕事をして経済力のある今だからこそ、イタリアやNYなど王道の観光地にも行ってみたい。」

2.やりたいことが旅とつながった仕事

かおり_小笠原_帰りの船

現在は「旅」に関わる新規事業の立ち上げに携わっているかおり。

現在の仕事についたのは、今から約1年前程度だそう。

国内旅行業務取扱管理者の資格を生かして、大好きな旅行のプランを作って直接販売できる仕事がしたかった。」

出張も多くある仕事だが、旅好きの彼女にとってはうれしいオプションのようなもの。仕事であっても楽しんでいる。

長期的には海外進出もするだろうという今の職場は3社目。

大学を卒業して、一番最初に勤めたのは旅行や小売りのECサイトを制作・運営する会社でwebディレクターを務めた。

「大学時代から地方創生に興味があって、地方に足りない事は何かと考えたときに”情報発信”だと思った。
だから情報発信の手段が学べるweb系の会社を選んだ。」

数年務めたのち、仙台のインバウント会社に転職した。

「当時の彼、現旦那さんが転勤になりついていく形で転職した。
元々、地方に住んでみたかったのでいい機会だった。」

なぜ、地方に住んでみたかったのかと聞くと、

「地方創生に興味があるといいながら、横浜出身で地方に住んだことがない自分には説得力がない。
だからこそ、自分で身をもって体験するべきだと思った。」

行動しなければ現状は変わらないと良く言われるが、彼女はその言葉を体現したかのようだ。

「仙台で勤めたいと思った会社の社長にFacebookで直接連絡をして、社長が東京に来るタイミングで直接話す機会を貰った。
それで見事採用。」

実際に仙台に住んでみた事で、憧れと現実の境目も鮮明になった。

「地方は好きだけど、若いうちの定住は理想ではないと気づいた。
仙台は比較的栄えているから、暮らす上で不自由はないけど、東京での騒がしくも華やかな日常と、旅で楽しむ自然の癒しのバランスが今は心地よい。
地方で暮らすのは、老後の楽しみ。」

現実と理想の境目を、自分なりにうまく縫い合わせながら、彼女は旅と仕事を軽やかにこなしている。

既に国内旅行業務取扱管理者の資格を取得している彼女は、今後は総合旅行業務取扱管理者の取得も視野に入れているとか。

他にも、

「今は特に役には立っていないけど、温泉観光士の資格を持っている。」

らしい。

かおり_アメリカ_ホースシュー

旅をこよなく愛する彼女は、旅の中で

「柔軟性を学んだ。」

と、いう。

「旅の中では、予想できない事がたくさん起こる。その度に臨機応変に対応する力が求められる。」

確かに彼女は、とても柔軟だ。問題が起きても、解決する力を持っている。旅は彼女の魅力の一つを作った、重要な立役者となっているのだろう。

3.結婚と旅の両立

かおり_ハワイ_結婚式

結婚してから、もう3年が経った彼女。

去年は、
沖縄2回
北海道2回
和歌山
山形
長崎
岐阜
群馬
三重
宮城
宮崎
アメリカ
スリランカ
タイ(サムイ島)
を旅した。

すべて旦那さんと一緒に行く旅なのかと思いきや、実際に旦那と一緒に行った旅は4回程度。

あとは友達との旅行や、一人旅を楽しんだそう。

旦那さんを置いて旅をすると、夫婦関係に亀裂が生じないのか?と、聞くと

「旦那さんとの旅行を年に数回は行くようにしている。

旦那さんは私と違って王道な旅先が好きだから、そういう旅先を夫婦で楽しみ、マイナーな旅先へは友達や一人で行ったりと分けている。

旅行に行く前には、必ず了解はとっているし、旦那さんの事を忘れていないという事を、ちゃんと伝えていれば夫婦関係は大丈夫そうかな。笑」

夫婦だからといって、趣味が100%合うという事は、よっぽどの事がない限りありえない。

特に旅となると好き嫌いははっきり分かれる。

だからこそ、お互いにとって心地よい距離感と、相手を不安にさせない気遣いで、旅を諦めない生活を彼女は手にしたのだ。

***

旅と仕事、そして家庭。
ライフステージが次々と変わる女性にとって、旅を変わらず楽しみ続ける事は、時に難しいと感じる事もある。

しかし、不可能ではないという事を彼女は教えてくれた。

好きな事、理想の自分、欲張りに求める事は悪いことではない。
求めるからこそ現実が見えて、望むからこそ実現する。

私たち女性は、願えばどんな自分にだって変われるし、多様なライフステージを洋服を着替えるように楽しむ事ができる。

すべては自分次第なのだ。

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取材:あや(中嶋といろ)&みり
執筆:あや(中嶋といろ