【私と旅 #6】める
「私と旅」シリーズ第6弾。今回も、POOLO1期生の仲間のひとり、めるにインタビュー。
金融メディアを運営する会社で働いているめる。
本社は海外にあり、日本支部は、めるを含めてたったの2人。本社や世界中の支店とやりとりしながら、まさにグローバルに働く彼女。
日常の中に、自然と海外の存在がある彼女の話は、旅をどうライフスタイルに取り入れていくかについて、新しい発見の連続だった。
オフィスに出社しなければいけない日も少なく、思い立ったら国内の様々な場所でワーケーションを楽しんでいるスタイルも憧れ。
今回のオンラインインタビュー、繋いでみると外を歩いているめる。
仕事でも、パソコンが必要のないミーティングなら、近くを散歩しながらが日課になっているらしい。
家のデスクでパソコンに向かっているより歩きながらの方が、
「自然体で話せるよ。」とのこと。
***
1. 旅との出会いがない / 旅をすることが日常
2019年を振り返ってみても、
イスラエル、台湾、熊本、新潟、静岡、シンガポール、軽井沢、広島、ハワイ、ワシントンDC(出張)、台湾(2回目)、熊本
と国内外問わず、1年中ずっと旅をしているめる。
(↑写真:イスラエル)
いつから旅が好きなったのか旅との出会いを聞いてみると、
「小さい頃から家族がいろんなところに連れて行ってくれていたから、旅をすることが普通になっていた。」
めるのお父さんはカリフォルニア出身。
彼女自身は九州出身だけど、記憶にも残っていないくらい小さい頃からカリフォルニアやハワイに家族旅行で行っていた。
「旅はするものだって思ってたかな。」
春になると衣替えをするとか、夏に花火大会に行くとか、なんとなくそういうものだよねって疑ったこともないものというか、小さな頃から無意識のうちに習慣化されてる感じだろうか。
海外に行くことに抵抗も全くなく、
次にどこに行きたいかを自然と考えていたとのこと。
“この国でこんな体験をした” とか “世界一周に行った” とか、旅って好きになる原体験のような旅があるものだと勝手に思ってしまってたから、あ、そういうパターンもあるのかって発見。
2. ワーケーションができる仕事
2019年に訪れた場所で、国内はほぼ、仕事をしながらの旅(ワーケーション)とのこと。
それぞれ1週間くらいの滞在で、日中は仕事をしながら、仕事をする場所や仕事が終わってからの時間を楽しむ。
海沿いでパソコンを開いたり、現地のご飯屋さんを訪れたり…
旅に行く前に、まとめて片付けられる仕事はできるだけ終わらせるようにはしている。だけど、劇的に減るわけじゃないので、旅先でも東京にいるのと同じくらいは働いている。
「旅をしながら働いていると思うと、仕事が少し億劫になるけど、
『あ、こんな海の見えるところで仕事できてる!』と思うと素敵でしょ。」
だから、仕事をしながら旅してるという感覚。
(↑写真:広島)
メディアの更新もあったり、仕事関連で完全になにもしないという日は少ないけど、仕事と遊びの境がない方が自分には合ってるというめる。
ちなみに、めるの会社はアンリミテッドバケーションという制度。
決められた数の有給が配布されるわけではなく、好きな時に好きなだけ休んでいいという仕組み。
会社全体では、年に2週間くらいの休みを2回取るという人が多いらしい。
消化しなきゃいけない有給の数がないと、なかなかいつ休んでいいか、休みを取りづらいという面もあるみたい。でも、子どもが急に体調不良になったとか、家庭の事情でどうしても休まなきゃいけない時に、リミットがないというのは、仕事と家庭の両立の1つの安心ポイントにはなりそうだなと思った。
3. 行動力が生んだ出会い
ところで、そんな素敵な職場にどうやって出会ったのか聞いてみると、そこでもめるらしさというか、彼女の魅力だなと思う行動力にびっくり。
大学生の時に、アメリカに留学していためる。
オフィスが面白いと有名な企業に、オフィス見学がしたいとお父さんがメールし、一緒にオフィス見学に行くことに。
元々、お父さんがその会社のサービスのユーザーで、アメリカで働きたい中小企業1位になっていたこともあり気になっていたという。
そのオフィス見学がきっかけでその企業の人と知り合い、たまたま学校の近くに本社があったこともあり、インターンしたいと申し出た。
その時、企業側も日本進出をしようと準備を進めているタイミングだったので、インターンとして働けることに。
すごい、行動力。
家族のような暖かい人間関係や、仕事とプライベートの境がない社風がとても好きで、遊びながら働いている感じがめるに合っていたこともあり、そのまま正社員に。
4. “ご縁”を旅する
そんな行動と出会いを大切にするめるの旅の軸も「人との出会い」。
海外でいうと今まで旅した国は25か国ほど。
(↑写真:イスラエル)
2019年に訪れたイスラエル。
箱根にひとり旅に行った時に、偶然出会って仲良くなったイスラエルの友だちに会いに行ったという。
ちなみに、箱根旅はめるの唯一の一人旅の経験。
だけど、旅先で友だちができて、振り返ってみると本当に一人だった時間は行きの電車の中だけだったらしい。
「メジャーな観光地に行っても、全部同じ感じに思えてしまうんだよね。写真撮って、インスタグラムにアップしてって…そういう旅には飽きちゃった。」
(↑写真:インド)
インドで友だちが見つけてきた、ガイドブックに載っていないような山奥のヨガのインストラクターさんを尋ねて、1ヶ月ほど滞在したことも。
ヨガを習いながら、デジタル環境からも離れて(WiFiは3日に1回10分くらい使えるらしい)、ゆっくり過ごす時間はとても心地がよかったとのこと。
(↑写真:インド)
この国に行きたい、この観光地に行きたいではなく、
「面白そうな人がいて、おいでって言われる出会いを待ってる。」
というのが今のめるの旅のスタイル。
そして、そんな素敵な出会いを惹き寄せてしまうのも、めるの魅力だなと話を聞きながら思った。
カウチサーフィンのイベントに参加したり、海外からの観光客が参加するような東京のツアーに参加してみたり、積極的に人に出会える場に足を運んでいるらしい。
出会いを目的にというよりも、純粋にそのイベントや観光を楽しみながら。
(↑写真:キューバ)
「何歳まで働きたいとかは、こだわってないかな。」
と、散歩中の公園で近くにいた子どもに、時々笑顔を向けながら話すめる。
働きたかったら働くだろうし、早期退職して新しく何かをやるのもいいし…と彼女らしい回答。
「思い立ったら行動するタイプだから、10年後の計画とかもあんまり考えてないかな。計画を立てたとしても、多分その通りに行かないだろうし、今いるところは、今のところは気に入ってるし…嫌になったら、また思い立ってフラッとどこかにいくかもしれない。」
と、最後まで自然体で話してくれた。
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自分の思うままに、人に惹き寄せられて、旅をする。
そんな肩を張らない旅と仕事の両立の仕方に、話を聞いているだけでも心地がよくて、なんだか魅了された。
これができますっていうスキルがないから、身に付けたいと思ってコーディングの勉強を始めたとめる本人は言っていたけど、インタビューの中で充分すぎるくらい魅力が伝わってきて、肩書きにするのは難しいかもしれないけど、彼女にしかないスキルがたくさんある気がした。
自然体で、人とのご縁を大切にすること。
それが、自分らしく働きながら、ライフスタイルのなかに溶け込むような旅を実現する、一つのヒントなのかも…。
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める
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