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娘との会話

自分の好きなことや大切なものをよく分かっている娘が、勉強が好き、と言った時は少し驚いた。高校生くらいから、いつも勉強ばかりしているとは思っていて、親の私が、もう勉強はやめて一緒にテニスの試合(またはアニメ)を見ようよと娘を誘う、という謎の関係だったけれど、やらなければいけないからではなく、好きだから勉強していると知って、納得した。宿題がない休みの間はつまらない、と言うのだから驚きだ。私も何かを学んだり解決したりして行くのが好きで、勉強は苦ではなかったけど、娘ほどではなかった。

娘は私に似て頑固なので、頑固者同士で会話が行きづまることがある。今まで自分の考えを曲げずに貫く立場だった私が、私に輪をかけて頑固な娘を相手にして、初めて譲ることを学んだ。そして思ったのは、別に大したことじゃないのにこだわっている場合が多々あるということ。そして、娘はこの頑固さのせいで苦労するかもしれない、譲ることを学んだ方がいいということ。娘のおかげでやっと学んだ私が言うのもなんだけど。

息子と違って、娘は恋愛関係の話は一切しない。そして娘はこれまた息子と正反対で、子どもはいらない、と言っている。そして、最近、猫を飼いたいと言い始めた。小学生の頃、私はキャットレディになる、と言っていたけれど、その通りになりそうな感じだ。キャットレディとは、年を取った独り身の女性のことで、猫と暮らしているイメージなので、そう呼ばれるらしい。同じ親を見て育って、なぜこうも正反対なのか、いつも不思議になる。でも、親に恋愛の話をしなかったのは、私もそうだったから、娘はやっぱり私に似ているのかもしれない。私も結婚はしないと思っていたし。

娘と話をしていると、なぜか自分のことを省みることになる。同性だから、同一化しやすいのだろうか。私の人生は、過去を振り返ると後悔と恥だらけなので、娘にはそういう思いをしないで堂々と生きて欲しいと願ってしまう。たとえ、そんな過去から辿り着いた今、たくさんの小さな幸せに気づいているとしても。

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