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今、自分ができることだけ考える

夜は魔物。息子も娘も、精神的に不安定になると、まず夜に眠れなくなるようで、たいてい夜中に私の部屋に来たり電話して来たりする。暗闇と静けさの中、ネガティブな思考に取り憑かれて眠れなくなるのは、私も経験済み。周りはみんな眠りについているし、次の日に支障が出ないよう、自分も眠らなければ、という焦りも出てきて、余計に苦しくなる。夜には精神的不安定さが、くっきりと現れる。

息子であっても娘であっても、夜中に私に連絡して来たら、まずは話を聞く。その時、たいてい私は寝ているので、半分寝ぼけた頭で一生懸命状況を理解しようとする。そして、気づく。苦しみはいつも、過去か将来、または人のことに関する思考から生まれている。だから、少しでもその考えを方向転換できるように導く。

過去の出来事や将来に対する心配にとらわれていたら、「今できること」に焦点を当ててみる。過去は変えられないし、将来のことをいくら心配しても、今できることを少しずつ積み重ねて行くしかない。

人のことで苦しんでいたら、「自分ができること」に焦点を当ててみる。人のことを考えてみても何も変えられないから、自分で変えられる自分自身のことについて考えてみるように。

そうして話しているうちに、少しは気が楽になった様子の二人を見ると、安堵と同時に大きな不安がやって来る。二人は、これから大丈夫だろうか、という将来への不安。たとえば私がいなくなっても、二人は苦しい夜を乗り越えられるだろうか。

それこそ、今できること、自分ができることに私自身が焦点を当てなければいけないのに、言うのはたやすいけど、実際にするのは難しいって、まさにこのこと。でも、こういう思いを私自身がしているからこそ、夜中に二人の不安定さに寄り添える気もする。

今、私にできることは、二人がネガティブな思考にとらわれている時に話を聞いて、「今、自分ができること」に考えを向ける助けをすること。そうやって積み重ねて行けば、きっと二人もいつか自分で考えを方向転換できるようになって、辛い夜も乗り越えられると信じて。

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