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観光旅行業のあれこれ

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観光旅行業の今とかこれからとか、経営のこととか。
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#旅行業

不要不急のマーケティングを試みたらCVR3倍になった話【旅行検索BOX編】

from:ステイホーム コロナウイルスの猛威は予想以上でした。観光業への影響は尋常じゃないです。M&Aや事業売却の話もぽつぽつ出始めています。 当たり前ですが今はできることを試して準備して、復活する時を待つしかありません。 そこでぼくも不要不急と言いますか、「どのくらい数字が上がるのか?」が読めないのでやらなかった施策を、とうとう試みました。結果CVRが3倍になりました。 以前こんなことを書いたのですが、この時から気になっていたことです。 なぜ旅行予約の検索BOXは

2020年から旅行業で儲けたい人が失敗しないためのミチシルベ。

from:元旦の渋谷事務所より 先日のこのツイートに関していくつか反響をもらいましたので、noteでまとめてお答えします。 旅行業やホテル旅館業の人間から見ると当たり前の構図ですが、やはりカオス(ムダが多い)です。 厳密には、この流通の中に「サイトコントローラー」という業態も噛んでおり、もっと複雑です。 例えば次の場合、A社とB社の内部には、互いを競合だと認識している部署とパートナーだと認識している部署が混在します。やはりカオス(ムダが多い)です。 A社はユーザーに

OYOがたった5年で世界最大のホテル王になれた「秘伝のタレ」と「ビジネスモデル」

from:江ノ島のサーフカフェ OYOさんから案件をいただけるかも(見込は薄い)との事で色々調べたところ、ビジネスモデルから何から、ただのバケモノでしたのでここにもメモさせていただいた次第です。 先日のこのツイートが少し反響ありまして、特に宿事業者さんの、OYOへの見解は様々だなと感じました。 かく言う僕は、OYOさんリスペクトです。 1|「OYO」って一体ナニモノ?ご存知ない方もいらっしゃるかもしれませんので簡単に紹介を。 OYOは、1993年生まれ弱冠26歳のイ

はやっていた「旅行業参入」の途中経過を冷静に整理してみたい【続編】

from:田町のカフェ 以前、こんな記事を書きました。 前編?続編は?という声を ちらほら(1人だけ)いただいたので、書きます。 それとちょうど、旅行系プロダクトのディレクターをやっている後輩さんから、こんな連絡もきたんです。 後輩「(ホテル比較予約のプロダクトに)コンシェルジュ機能の実装を進めてますけど、やばいっす大変ですっ。。」 コンシェルジュ機能の自体の良し悪しは色々あると思いますが、後輩さんの場合は、「相談できる」ことによる差別化を図ろうとしているみたい

あなたの旅行事業は「余暇」というスケールで、組み立てられているか。

from:ほぼ戯言。 あなたの旅行会社、あるいは、旅行事業は今、どの市場に対して、何を提供する準備を進めていますか? 最近、旅行業の方とお話しすると、決まってこんなセリフを耳にします。 「ユーザーが求める旅の形が変わってきている」 つまり、既存事業がこれまで通りでは上手く行かなくなってきた事に対する見解だと思います。しかしながら、変わりつつあるユーザーのニーズを、体系的に掴み取ることができないため、次の一手を決めかねていると言う印象です。 今回は、「ユーザーが求める

旅行メタサーチを立ち上げながら、なかなかしーきびだと感じた話。

from:沖縄そばをすすりながら メタサーチという業態があります。 旅行業界では、「トラベルコ」さんとか「トリバゴ」さんの事だよ!と言ったらイメージし易いかもしれません。 他業種では例えば、求人業界のindeedや求人ボックス、賃貸業界のスモッカなどが同類で、アグリゲーションサイトなどと言われたりしています。 所謂「一括検索ができるメディア」の事ですね。 ▼この記事の概要▼ 「メタサーチ業態」の現状や仕組みの解説と、これからの可能性とその理由について書かれています。(

タビナカ市場の動向まとめ【2019年版】

from:名古屋からの帰りの新幹線 ▼この記事の概要▼ 観光市場で注目を集める「タビナカ」の現状とこれからの動きまとめ。 オプショナル マクロ市場| タビナカ!タビナカ!と言われていますが、市場はどうなっているのかを見てみます。 ▼2011年:2017年のオプショナル市場比較 (出典:観光庁「旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」)  オプショナル市場を、 全体:国内旅行:海外旅行  × 個人旅行:パッケージ に分けてまとめてみました。わかりやすい変化が2

一休.comの成長を、それっぽくまとめてみた。

from:2018年12月31日自宅の書斎 訳あって一休さんの成長を振り返る機会がありました。 こちらにも記載しておきます。 資本金:950百万円  営業収益:6,619百万円 営業利益:2,202百万円 利益率:約33% ※2015年3月期に公表された数字 一休の業績推移|株式会社一休の主な事業は、ホテルのOTAです。 日本では2000年頃から旅行業に台頭したビジネスモデルで、2000年に「じゃらんnet」、2001年に「楽天トラベル」がサービスを開始しています。

最近はやりの「旅行業参入」について、ちょっと冷静に整理してみたい【前編】

from:北京行ってきた。 前回の記事から少し時間が開きましたが、その後もかなり多くのプレイヤーが旅行業に参入しました。 各社さんが参入した旅行業のポジショニングマップは、Businessinsiderさんのまとめが一番きれいかな。 この図の下、新規市場の内、DMMさん以外は、” 予約の仕方 ” を参入の切り口としていることがわかります。 予約の仕方とはどう言うことかと言うのは、前回ズボラ旅さんについて書きましたので、イメージしていただけると思います。つまり、予約をす

「10年後の旅行業どうなりますか?」って、言われましても。

私がコンサルタントを辞める2017年、このフレーズを本当によく聞かれました。 しかしですね、そんなのわかりません! 少し先の未来さえ、明日の技術革新によって大きく変わります。 iPhoneを初めて手にしたとき、「facebookは10年後マーケティングの主流になる!」「その後は写真共有アプリが最も口コミ力の高いツールになるんじゃないか!」なんて誰も予想できませんでした。 それが今では、「おっけーぐーぐる」と言えば、近くの観光スポットがさっとレコメンドされる。そんな時代

最近よく聞く「コト消費」 を、原理から解説してみた記事です。

from:窓の外で雪が斜めに落ちてる。(3月下旬やで泣) 消費形態は「モノ」→「コト」へ。みたいな話を、少し前からよく聞きます。結果こぞって、「体験を売れ!」などの話に終着しがちなのですが、 コト消費って、一体なんでしょう。という話です。 原理や背景を知らなければ、的を得た見解を導くこともできません。この記事では、コト消費の正体を、プロダクトライフサイクルを用いて解説してみます。 ▼ライフサイクルとは全ての商品・サービスは、市場に生み出され、出回って浸透し、需要と供給

よくわからないじゃ済まなくなってきたので、オンライン旅行市場を操る方法を考えてください。

from:実家付近のスタバ(帰省中) 旅行業に対して、これからどんな携わり方ができるのか。とか、自分がどんな仕事をしたいのかとか、考えるわけです。年の瀬らしく。 100を優に超える旅行会社さんと会ってきましましたが、WEB活用の相談はこの5年で相当増えました。5年前は皆無だったんですけどね。 それもそのはず、いま旅行業界に限らず物凄い勢いで進行しているのが、異業種からのテック参入。テックを活用した破壊的イノベーションが各テリトリーで起こっています。 旅行業界における、