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夏休み子ども科学電話相談を聴いて湧いてきた思い出。

ムジュラの仮面の月のように年々太陽が近くなって来てるのでは??と勘違いする程の灼熱な夏を過ごしている皆様こんにちは。

タイトルにもあるとおり、この時期はNHKさんが提供する
「夏休み子ども科学電話相談」
という番組が最高なのです。

https://www.nhk.or.jp/radiosp/kodomoq/
聞き逃しサービスもあるので、一度こちらから聴いてみてください。

夏休み子ども科学電話相談というものを簡単に説明すると、

科学における様々なジャンルの先生たちが、子どもたちの純粋無垢な質問に答えてくれる。

というもの。

先生たちは各界の著名人ばかりで、かつ、回答に込められた質問者とそのジャンルに対する愛がものすごい。

このTwitterとかでは、ダイナソー小林と呼ばれている、
「恐竜」担当の小林快次先生なんかは、一年の3分の1を化石発掘のために海外で過ごしているのにも関わらず、このラジオのために帰国するという力の入れよう。

他にも名だたる先生がたくさんいて面白い。

対して、子どもの質問も最高にクールで、確かにそうだよなぁ。と思うことばかりです。

●地球はなくなるんですか??
●虫を潰すと汁が出るのはなんでですか??
●ダイオウイカを捕まえたいが、どうやればいいか。
●無限の一個前はなんですか??

などと子供らしい質問から、僕たち大人でも、わかんね。ってなる内容のものばかりの質問が生放送で飛んで来ます。

この質問に至るまでのプロセスがほんとに愛おしく、知らない子どもなのに電話のそばまで言って抱きしめたくなるレベルです。
特に僕が、くうううううううううううううううってなったのが、

【質問】
ハゼを捕まえて、水槽にいれたのですが、よくはねて水槽から出てしまいます。海が恋しくて、寂しいのかと思ったので、海の動画をスマホで見せてあげました。なんだか見ているように思いました。ハゼは動画を見ることが出来るのですか??

可愛すぎ。逃げるハゼに対して、海が恋しいのか、、と思える心、、、
どこで失ってしまったんだ、、、

とまあ、こんな質問に対しての、先生方の回答も大変素晴らしいものばかりです。

「地球はなくなるの??」という質問に対しては、
「約50億年後には地球はなくなると考えられているけど、それまで平和で素敵な地球でいられるようにみんなで大切にしていこうね」

とか

「影が動くのはなぜですか?テストで僕は地球が動くからと書いたらバツでした。答えは太陽が動くからだったんだけど、それって地球からみたからで、宇宙から見たら僕のが正解じゃないかと思う。どっちが正解ですか」に対しては、
「すごいことに気がついたね!科学は答えが割れることがあるの。それから、◯や×で決められないこともたくさんあるの。それがわかってるんだね」

と。

この先生たちは、子どもたちの質問を絶対に馬鹿にすることなく、真摯に答えます。
そして上記の質問みたいに、グーグルで検索したら出てくるような答えだけを言うのではなく、科学のすごく大事なところを噛み砕いて褒めながら伝えてくれる。

毎年、この子どもと先生たちのやり取りを聞く度、小学生の時を思い出す。

***

2001年11月18日の深夜。
家の二階で父さんと母さんと姉ちゃんと毛布にくるまりながら空を見ていた。

この年はしし座流星群が極大だった。一時間に数百から数千もの流れ星が流れて、日本の多くの人がこのタイミングでたくさんの願い事をかけたことだろう。

僕はこのときのことを今でも鮮明に覚えている。
くるまっているときの毛布の暖かさ、冬に入りかけのツンとした匂い、近くの川の音。久しぶりに家族が揃うことにワクワクしていたのかもしれないし、そもそも夜更かししていることに興奮していたのかもしれない。

ものすごく綺麗だった。いつも見ている夜空のフレームの中に、無数の流れ星が現れては消えていく。
はじめてみた自然の神秘だった。

どうしてこんなにたくさん見れるのか。
そもそもどうして光るのか。
星は流れたあとどこへ行くのか。

たくさん不思議なことが頭の中に浮かんでは消え、また浮かんできた。

ふわふわしてるけど、興奮している状態で学校にいき、当時の担任に結構な勢いで昨日の流星群について話した。

その話を先生は、うんうん。と優しくきいてくれて、
ちょっとこっちに来てみて。
と僕をあるところに連れて行ってくれた。

いろいろな生物の標本や、人体模型、奇妙なものがたくさんあり、少しホコリぽい部屋。理科準備室だったと思う。

先生はゴソゴソと箱から、長い筒と綿毛みたいなものだして、僕にいった。

「とても興奮して感動しているから、いまがいい機会かもね。ちょっと見ていて」

先生はその綿毛を、筒の中に入れて、上から棒を差し込んだ。

そして、その棒を勢いよく中に押し込んだ。

一瞬でボッ!!と綿毛が燃えてなくなった。

なぜこれを見させられてるのかよくわかんなかったけど、とりあえずマジックみたいで面白かった。

そして、先生は驚愕の事実をいう。

「流れ星は、実は星じゃないんだ。あれは地球に落ちてくるゴミみたいなもの。それが地球の大気圏っていうところにぶつかって燃えるんだよ。これはそのゴミが大気圏にあたっている状況を簡単に示した実験だよ。」

衝撃が走った。
小さい時、城島高原でヒーローショーを見たあとトイレでションベンしてたら、下半身がゴーゴーファイブのレッドの格好をしたおっさんが隣に来たときより衝撃を受けた。

流れ星が、星じゃなかったことにじゃない。

昨日の夜、あんなに感動して家族みんなで口を開けて空を見上げていた、流れ星という現象を、規模は違えど、いま目の前で再現されているということに驚いた。

あの、光って軌跡を残しながら消えていくというものは、
流れ星に”しか”ないものだと思っていたのだ。

「いまゆーやが習っている理科とか算数という勉強は、身の回りにあるたくさんの不思議なことや綺麗なものがどうしてそうなるのかってことを明らかにするためにしているんだよ。」

***

まんまと科学の面白さに当てられて、大学まで進んでしまった。
大学では数学の知識が圧倒的に足りず、物理学は撫でるようにしか学べなかったが、、(笑)

学ぶことの大切さと面白さを教えてくれた、あの先生には本当に感謝している。
いまでもことあるごとに、無数の流星とあの埃っぽい部屋で一瞬で燃え消えた綿毛を思い出す。

敬意と愛をもって答えてくれる大人に出会えた、質問者の子どもたちは幸せだと思う。

そんな、小さな科学者たちがすくすくと育っていける環境を作っていかないといけないなぁと大人になったいま思います。

実験は断熱圧縮っていう現象を確認するものです。)

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