サンキューグランマ

じいちゃんも孫も飼い猫も全部平等に怒るところ

ご飯美味しいっていうといっつもそれしか作らなくなるところ

つげ工場の職人としてきれいなつげの櫛を作るところ

保育園の帰りに歩き疲れたっていうとおんぶしてくれるところ

仕事場に迎えに行くと褒めてくれてお菓子をくれるところ

なにも用事がないのに元気にしちょんの？って気にかけて電話してくるところ

くじとかの類のものは大体自分が当たるっておもっているところ。

そして本当に宝くじあててるところ。

仏壇の前で、じいちゃんにいっつも近況報告してるところ。

一日の楽しみなのよって言ってビールを開けて嬉しそうに飲むところ。

ちっちゃな体でたくさんお寿司を食べるところ。

カリフラワーみたいなきれいな真っ白い頭をしてるところ。

いつ行っても笑顔で迎えてくれて、すごいすごいって褒めてくれるところ。

突然いなくなっちゃいました。
ほんとうに突然。
2.3週間前にあった姿と寸分たがわず、きれいな寝顔。うっすら口角が上がってて、良く来たね。元気にしちょんの？ご飯食べてる？って今にも言い出しそう。
唯一この前と違うのは、ものすごく冷たいこと。あぁ、この中にはもうばあちゃんはいないんだな。
大好きだったばあちゃんは外側だけが僕らの側に残って、あんなに温かかった内側はどっか知らないところに行ってしまった。

ぼくの軸を作ったのは紛れもなく、じいちゃんとばあちゃんだ。
両親共働きの中、あなたたち二人が本当に愛を注いでくれたからぼくはいま楽しくいきてるし、それなりに他の人に愛を注げてると思ってる。

あなたたちが、褒めるだけじゃなく、悪い時にはちゃんと叱ってくれたから、ぼくはいま色んな道から外れずに生きてこられたんだとおもう。

ものすごく、やさしくて、ちょっぴり、こわくて、ものすごく、あたたかかった。

久しぶりにさいかいした、じいちゃんとはなにを話すのかな。

そのはなしのなかに、ぼくのはなしも入ってるといいな。