技術専修の副(複)免許

先日技術専修は副免許を取りやすいと紹介した。では技術専修の人達はどういう副免許を取るのだろう?今回は技術専修の副免許事情について述べていく。

副(複)免許とは?

教育の道を目指す人なら誰しもが聞いたことがあるだろう、副免許。
教育学部では○○(教科や校種)専修と言って○○の先生になる為に4年間かけて○○を勉強する所があります。○○について追求しながら学ぶと同時に、他の科目・校種も勉強しようという人もいます。専修がメインで他の科目・校種がサブということで、専修でない他の科目・校種の先生になるための免許を副免許と表記します。
だけど「教員免許にメインもサブもない」「教員免許に主があり、副がある解釈するのは良くない」ということで複数の免許を略して複免許と表記するべきという意見もあります。(ちなみに岡山大学教育学部や北海道教育大学は副免許と記載しております。こういった客観的な事実が存在すること、記事を読みやすくすることを考慮し、以降副免許と掲載いたします。)

技術専修は副免許何取るの?

先生方の話によると、技術専修の人達は副免許で主に3つのうちの1つをとるそうだ(副免許は任意制です)。今回はその3つと、メリットデメリットを紹介していく。

1つ目は「小学校」だ。

副免許で小学校を取るメリットとしては、技術の知識を持った小学校の先生になれるという事だ。現在情報の授業やICTを取り入れた学校教育がだんだん採用され、導入し始めている。その中で4年間技術(情報)を学んだ先生が小学校で活躍するとなったら、初等教育に大きな恩恵をもたらすだろう。
デメリットとしては、副免許で小学校をとっても技術の先生になるのであればほぼ意味が無いという点だ。確かに小学校と中学校と連携した一貫教育が現在注目されている。しかし小学校には技術という科目がないため、技術科目では一貫教育がほとんど存在しない。そのため中学校教員を目指すのであれば、あまり小学校をおすすめしない

2つ目は「工業」だ

工業は高校の「工業」だ。工業を取るメリットは2つある。
1つ目は技術の授業で工業の知識も取り入れることが出来るという点である。工業の免許を取るためには、工業の知識も学んでいく。その学んだ知識を技術の授業に取り入れることで、より詳しく・楽しい授業を作ることが出来るかもしれない。
2つ目は、取るのが楽ということだ。工業の副免許1種は計24単位とる必要がある。しかし、実はそのうちの10単位は技術と被っている。つまり、14単位工業に関する授業を取る事で簡単に副免許を取得できる。
デメリットだが、実はほとんどない(というか思いつかない)。

こんなにいい事づくしの副免許だが、実は私は工業を取っていない。では何を副免許で取っているのか、それは次に紹介するものである。

3つ目は「理科」だ

よくよく考えれば中学の時の技術の先生、理科も他クラスで授業していたなぁという方も多くいるだろう。それは副免許で理科を取得しているからだ。
では何故多くの技術の先生は理科を取得するのか。それは技術は理科という学問があって初めて存在するからだ。恐らく「???」となっただろう。理科という学問は、私たちの身の回りの自然科学を研究・解明し、原理原則を見出していく学問である。そして技術は、研究・解明した身の回りの自然科学の原理原則をもとに様々な工夫をして生活をより良いものとするものである。つまり技術を学ぶということは、自然の原理原則を学ぶことにも繋がるという事であり、自然の原理原則も技術の原理原則と繋がっているという事だ。そういう理由で理科と技術は親密な関係であるともいえるのだ。

長くなったが理科を取るメリットデメリットを紹介する。メリットとしては、先程述べたように技術と理科が親密であるという点だ。学習指導要領でも「教科等横断的な学び」というものが紹介されている。これはある教科で学んだことを他の教科で活用したり関連させたりしようぜというものだ。理科の副免許を取るために理科を勉強することで、技術理科間の教科等横断的な学びを実現することも可能であろう。

デメリットとしては大変という点だ。2つの教科を行ったり来たりするという点では大変である。また、専修ごとに雰囲気も違う。他には、技術の実習は2学期かかるけど2時間実習、理科は1学期と短いけど4時間連続実験というのも理科の副免許をとるための必須条件である(うちの大学では)。まぁそこは何とか耐えるんだ。

最後に

多分僕が知っている中だと理科>工業>>小学校であると考える。ちなみに理科は知っている範囲だと私と前回紹介したBさん、それと3回生の先輩がとっている。もう一度言うが、副(複)免許は強制では無い。自分の今後の教員としての人生を考えた時、必要そうであればぜひ副(複)免許チャレンジをして欲しい。

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