愛しき牛と消費される牛、貨幣経済と貧困の出現 #2【カラモジャ日記 24-03-23】
この文章は #1 に続くものである。
https://note.com/tabatytabaty/n/n90d5fef442c6
「貨幣経済の浸透だよ。誇りだった牛は市場で売り飛ばされる牛になった。そして、貧困の時代が始まった」
彼の表現はいささか文学的すぎて、僕はその意味を咀嚼するのに時間がかかった。そんな混乱した僕の目をじっと覗き込んで、ブライアンは長い話を始めた。
「ずいぶん昔のことだ。僕が小さかった頃('90年代後半か)、親からは周囲の民族間で、激しく牛を強奪