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カラモジャ駐在日記

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ウガンダ北東部カラモジャ地域において農業プロジェクトに取り組む筆者の日記的記録
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記事一覧

あるNGOウガンダ駐在員の、ある1週間の仕事 【カラモジャ日記 24-05-31】

 今回「1週間の仕事」についてまとめてみようと思ったきっかけは、同業者の方が書いている類…

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ヘチマを懸けた格闘【カラモジャ日記 24-05-17】

 怒りのままに書き殴っていたら、この文章ができた。  それは内容への理解を妨げるような欠…

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マンゴーの繊維を受け止めて【カラモジャ日記 24-05-10】

 5月に入った。待ちに待ったマンゴーシーズンの到来だ。  日本でマンゴーを買おうと思った…

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マラソンとトウモロコシ 【カラモジャ日記24-04-27】

 4月の半ば、10日ほどの休みをとって久々の海外旅行に出かけた。  僕は基本的に短期間の旅…

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ある傷を負った少年との再会 【カラモジャ日記 24-04-05】

 乾燥した飢餓の大地に、集中的豪雨が降り注ぐ。ついにカラモジャにも、恵みの雨をもたらす限…

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ウガンダ生活10度目の病院にて【カラモジャ日記24-03-30】

 頭は痺れを感じ、身体の節々が軋むように痛む。血管の隅々にまで電流が流されたかのような細…

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愛しき牛と消費される牛、貨幣経済と貧困の出現 #2【カラモジャ日記 24-03-23】

この文章は #1 に続くものである。 https://note.com/tabatytabaty/n/n90d5fef442c6 「貨幣経済の浸透だよ。誇りだった牛は市場で売り飛ばされる牛になった。そして、貧困の時代が始まった」  彼の表現はいささか文学的すぎて、僕はその意味を咀嚼するのに時間がかかった。そんな混乱した僕の目をじっと覗き込んで、ブライアンは長い話を始めた。 「ずいぶん昔のことだ。僕が小さかった頃('90年代後半か)、親からは周囲の民族間で、激しく牛を強奪

愛しき牛と消費される牛、貨幣経済と貧困の出現 #1【カラモジャ日記24-03-17】

 ここ数週間、雨季の到来を告げるような規則的な雨がカラモジャの大地を湿らせた。住民たちは…

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一粒の種から広がる物語 【カラモジャ日記 24-03-07】

 マニャタ*をくぐると、早朝から満を持して集まってきた住民たちの姿があった。乾いた牛皮の…

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痛む手のマメ、満たされる心 【カラモジャ日記 24-02-28】

 雨の匂い。土の匂い。牛糞の匂い。十日ぶりに足を踏み入れた畑は、新しいシーズンの匂いに満…

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