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詩集:どこにもいけない

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行き場もなく日々わだかまる言葉達は、詩の中以外はどこにも行けない
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2020年10月の記事一覧

詩:ぼくら宇宙になれるかな

詩:ぼくら宇宙になれるかな

よ、よ、よるの水槽で
まぶたをなくした、テトラの夢

ぼくたちは空っぽの天国で
硝子の破片を
抱いたまま眠る

ぴかぴか光る稲妻を
まぶたのうらに刺しておき
手首に傷を保つためだけのかぎづめを持っているから
なくした思い出がほら
いま、ひかりを放つ

けむった空気の中で目を覚まし
誰しもが肌色のふくろに押し込まれる様を見つめている

ぼくたちはいつか骨になり
素焼きのまんま土に埋められ
か、かぎづ

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