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詩集:どこにもいけない

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行き場もなく日々わだかまる言葉達は、詩の中以外はどこにも行けない
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あめをとかすゆき。ゆきがとかされるんじゃない、おとやひとのけはいをとかしていく。とかされたものはむのきょうかいまでしずむ。みえないせかいで、みえるせかいをおぎない、ちみつにし、こうしんさせる。

詩:スノウスイム

詩:スノウスイム

雪の下で何かが寝返りを打つ

すると白の中の白が

むくりと起き上がって

それは空白を食べながら

膨らんで永遠となる

はだかのあし
いてつくつめたさ
ゆきのやわらかさ
じめんとのつながり
なにもかんじない

「峠を越えたら白い地獄、草木も生えず道も見えない」

吹雪の止んだ先に今

いくつもの白い帳がゆっくり

ゆっくりとひるがえっていて

それは何かに似ていたが

いったい何なのか

もう

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